韓国ドラマ「私たちのブルース」の作品情報・あらすじ・感想

これはもう、単なるドラマとは別ジャンルと言ってもいいかも~。あらゆる教訓に満ち満ちてて…なんなら特集組んで毎年放送してもいいんじゃない?ってくらい。やるならぜひ教育番組でw

目次

作品情報

  • 邦題:私たちのブルース
  • 原題:우리들의 블루스
  • 英題:Our Blues
  • 放送:2022年
  • 話数:20話(1話約60分)
  • 日本国内配信:Netflix(2022.9現在)

予告編

あらすじ

銀行支店長として働くハンス(チャ・スンウォン)は故郷である済州島にある支店へ異動が決まる。プロゴルファーを目指し留学中の娘への金策に困り果てていたハンスは、済州島で水産店を営み成功していた同級生のウニ(イ・ジョンウン)から金を借りようと試みる…。

本土から来た海女のヨンオク(ハン・ジミン)と船長のジョンジュン(キム・ウビン)、高校生カップルのヨンジュ(ノ・ユンソ)とヒョン(ペ・ヒョンソン)、トラックで行商をしているドンソク(イ・ビョンホン)とその初恋の相手ソナ(シン・ミナ)。済州島を舞台に、彼らの人生と選択をオムニバス形式で描き出す珠玉のストーリーたち。

評価(momoruruが勝手に採点♪)

momoruru

総合評価 91点

済州島の美しい自然の中で、そこに暮らす人々の甘く切ない人生を描いたオムニバス・ストーリー。

迫りくる現実、予想できなかった挫折、乗り越えなければいけない試練…、波のように打ち寄せる辛い出来事の中に、時折訪れる小さな幸せや寄り添ってくれる仲間たちのぬくもりが印象的だった。
人生って思い通りに行くことばかりじゃないけど、前を向いて歩いて行こうっていう応援歌のようなドラマw

感想

オムニバス形式のドラマ

このドラマの特徴はオムニバス形式になっていること。そして、それぞれのストーリーが全て1つの時間軸でつながってるの。

具体的には、

  • ハンスとウニ(1、2、3話)
  • ヨンオクとジョンジュン
  • ヨンジュとヒョン
  • ドンソクとソナ(1、2、3話)
  • イングォンとホシク(1、2話)
  • ドンソクとソナそしてヨンオクとジョンジュン
  • ミランとウニ(1、2話)
  • ヨンオクとジョンジュンそしてヨンヒ(1、2話)
  • チュニとウンギ(1、2話)
  • オクドンとドンソク(1、2、3話)

というタイトルの付いたストーリーがあって、重複してるのもあるので大きく分けると8つのストーリーに別れてる。水産市場で店を構えるウニを縦軸にして、それぞれのストーリーに分岐していくような展開になっているよ~。

tvN公式より

済州島の魚市場を舞台に、小さな島で海と共に生きる人たちのドラマ

ドラマって華やかな世界が描かれることが多いけど、このドラマはだいぶ違っていて、今までのドラマではスポットライトが当たらなかったような人たちが主な登場人物。

済州島の魚市場が舞台の中心で、出てくる登場人物たちは人前では陽気で明るい人が多いんだけれど、それぞれに解決しがたい問題を抱えているところにリアリティがあった。順風満帆に見えても、誰しもが人には言えない問題を抱えているものだもんね。

そして彼らのすぐ近くにある海もまた、人々に豊かな恵みをもたらす一方で、時に死をももたらす荒々さを見せていて、その対比も美しかった。

momoruru

この続きはネタバレありますのでご注意を~

生きていくって大変なこと。

そしてオムニバスなだけに登場人物が多くて、それぞれの夢や希望や幸せな部分もたくさん見せてはくれるドラマではあるんだけれど、同時に見えてくる不幸の量も膨大すぎてさ…だから見てて辛くなってくるほどだった。設定にリアリティがあるだけに本気で身につまされるのに、現実と一緒で簡単には解決できないことが多いのよ。

借金まみれの銀行員の話に始まり、高校生の妊娠、退学、うつ病、離婚、親権争い、父親の自殺、DV、両親の事故死、障がい、愛人、いじめ、親との絶縁、未治療の末期がん…。

挙句の果ては、夫が死んで4人の息子のうち3人が死んで、最後に残った息子が事故で意識不明の重体に…という話もあって。神様はいるの?って言いたくなるくらいの不幸なの。

何とかしようと必死で足掻いても、運命には抗えないこともあって。だから泣いて叫んでボロボロになって、それでもいつかはそれを受け入れて、見守ってくれる家族や仲間と肩を寄せ合って生きていくんだよね。そしてその仲間たちもまた同様に、自身を蝕み続ける痛みを十分に知っているからまた泣けてきて…。

そんな登場人物たちを見ていたら色んなポイントで共感して泣き過ぎて、もはや何に泣いたか具体的には説明不可能だったわww

tvN公式より

エンディングで投げかけられるメッセージ

1話60分を20話分。そしてこれだけ膨大な量の不幸を描いていて、それなのにこのドラマの最後で流れたメッセージは、

「私たちは不幸になるためではなく 幸せになるために生まれてきたのです」

なんだよね。…それでも前を見て生きろと言うのか~!ってなんだか切なく感じちゃった~。

このドラマの意図は十分伝わったし理解はできるけど、でもなんだろうこれ…本当に深くて重いので視聴後に気持ちが沈むことは避けられないかもしれない。共感力が高い人は辛くなってしまうかもしれないし、ドラマに楽しさを求める人にはオススメできないかも。ただ、得る物も大きいドラマだとは思う!

出演者が豪華すぎる!

8つのストーリーがあることからも察しが付くと思うけど、このドラマは登場人物がとにかく多い~!!もしかしたら今まで見たドラマの中での一番登場人物が多かったかもw

しかも誰が主役なのか分からないくらいに実力派で有名な主役級の演者さんが勢ぞろいしてて、出演料大丈夫なの?!って思っちゃったwほんのちょっとしか出ない役なのに有名な人もいたりして、ひとつひとつのストーリー全てに力を入れてた。

大勢いる出演者の中で一番気になったのは、…うーん、やっぱりウニ役を演じてたイ・ジョンウンだったかな。ジョンウンさんて色んなドラマ出てるけど、最近見た「椿の花咲く頃」ではおばあちゃん役だったし、「海街チャチャチャ」でも成人した娘がいるお母さん役だったし、「ミスター・サンシャイン」でもそう、おばあちゃんっぽい役が多いのよね。

なのに今回のウニ役は未婚の50歳前後と思われる役で、髪も茶色く染めてるしカラオケでは歌って踊りまくってて、物凄く若々しくて超パワフル!!それもそのはず、ジョンウンさんの実年齢は52歳なの。逆におばあちゃん役を違和感なく演じてたのが凄いんだと今更悟った!!すごいw

tvN公式より

イ・ビョンホンとは思えない役かも

続いてやっぱり気になったのが、イ・ビョンホンね~。知名度的にはイ・ビョンホンがこのドラマの主演なのかな?ポスターでも一番イイとこにしっかり座っとるしw(ストーリー的なメインはイ・ジョンウンな気もしたんだけど)

イ・ビョンホンについて私が何より驚いたのが、なんか結構老けたような気がする…と言っても若い頃の彼をそこまで知っているわけじゃないんだけど(その昔、日本でゴールデンタイムに放送されてた「IRIS」は見てたんだけど…)、宣材写真のイメージとだいぶ印象が違ったかな?

というのもこのドラマでイ・ビョンホンが演じてたドンソクって男はね、明らかに過積載だろ?っていう荷物てんこ盛りのしょぼいトラックで行商生活をしていて、家も無いので寝る時は車中泊orモーテル。性格は短気で攻撃的で、痩せているし身なりも良くはない。

そんな役のせいもあって、角度によっては60代以上にも見えたりする瞬間が結構あったのよ(実年齢は51歳です)。老けたというより役作りなのかな?どっち???(このあと「ミスター・サンシャイン」を見ようと思ってたけど、若干自信を喪失中…)

tvN公式より

ジョンジュンだけがカッコ良かった

そのほかには、高校在学中に妊娠してしまうヨンジュを演じてたノ・ユンソが、ツンデレでめっちゃ可愛かった!私は、ヨンジュの妊娠が親目線でしか見れなくて、このストーリーは特に泣いたよ~!!

ソナ役のシン・ミナはやっぱり綺麗&やっぱり肩幅が広いと思った(!w)のと、キム・ウビンが演じてたジョンジュンが一人だけズルイくらいカッコ良くて参った!w

みんなどこか癖が強いキャラばっかりなドラマなのに、ジョンジュンだけめっちゃイイ人なんだもん。これがキム・ウビン復帰作なのかな?(復帰おめでとうございます!シン・ミナが共演してるのもまた感慨深い人が多かったんじゃないかな)

tvN公式より

おじさん?おばさん?

それからこれは個人的な感想ですが…、借金を繰り返す銀行員ハンソを演じたチャ・スンウォン。このドラマではイケメン役だったんだけどさ…私の中では「がんばれ!チョルス」のチョルスさんのイメージと、「三食ごはん 漁村編」のチャジュンマ(おばさん)のイメージが強すぎて…!!どう見ても面白いおじさん(おばさん?)にしか見えなくって、イケメンおじさん役には感情移入できなかったのが無念だったw

tvN公式より

おばあちゃんたちの表情が神!

みなさん実力派揃いなので、誰の演技がどうとか言うレベルでは既に無いドラマなんだけどね。ただ、チュニ役のコ・ドゥシムさんとオクドン役のキム・ヘジャさんのおばあちゃん2人組の演技がね~、もうほんと神がかってるほどリアル過ぎた!これほんとに演技なの?って疑っちゃうくらい表情が凄いのよ。彼女たちの人生も本当に過酷過ぎて…涙なしには見られなかった~!

tvN公式より

それにこのドラマでは障がい者役を障がい者が演じていたりしていて、飾ることも誇張もない等身大のリアリティがたくさんあったドラマだと思う。だから見てると心を揺さぶられるんだろうね~。心に残るシーンやセリフもたくさんあったし、完成度の高い素晴らしいドラマだった。

そして、いっぱい泣いていっぱい感動した一方で、心に刺さるダメージもなかなか多かったので、次は底抜けに明るいドラマが見たくなったよ~!w

しっかしここまでのたくさんの内容をぎゅぎゅっと20話に収めて完成させてしまうのって何気に凄いと思うのよねえ。そしてそれが可能ということが証明されてしまった今……そもそも1つのストーリーだけで20話も必要なのかな?という素朴な疑問が生まれたりもw(そりゃ中だるみもするドラマもあるわけだよねw)

momoruru

人生勉強としての教育的な評価は98点くらいありそう

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