韓国ドラマ「私たちのブルース」の作品情報・あらすじ・感想

これはもう、単なるドラマとは別ジャンルと言ってもいいかも~。あらゆる教訓に満ち満ちてて…なんなら特集組んで毎年放送してもいいんじゃない?ってくらいの素晴らしいヒューマンドラマだった!

目次

作品情報

  • 邦題:私たちのブルース
  • 原題:우리들의 블루스
  • 英題:Our Blues
  • 放送:2022年
  • 話数:20話(1話約60分)
  • 日本国内配信:Netflix(2023.8現在)

予告編

あらすじ

銀行支店長として働くハンス(チャ・スンウォン)は故郷である済州島にある支店へ異動が決まる。プロゴルファーを目指し留学中の娘への金策に困り果てていたハンスは、済州島で水産店を営み成功していた同級生のウニ(イ・ジョンウン)から金を借りようと試みるが…

本土から来た海女のヨンオク(ハン・ジミン)と船長のジョンジュン(キム・ウビン)、高校生カップルのヨンジュ(ノ・ユンソ)とヒョン(ペ・ヒョンソン)、トラックで行商をしているドンソク(イ・ビョンホン)とその初恋の相手ソナ(シン・ミナ)。

済州島を舞台に、彼らの人生と選択をオムニバス形式で描き出す珠玉のストーリーです。

評価(momoruruが勝手に採点♪)

momoruru

総合評価 91点

済州島の美しい自然を背景に、そこに暮らす人々の人生を力強く描いたオムニバス・ストーリー。

迫りくる現実、予想できなかった挫折、乗り越えなければいけない試練…、波のように打ち寄せる辛い出来事と向かい合う人生の中で、寄り添ってくれる仲間たちのぬくもりや、時折訪れる小さな幸せの輝きが印象的だった!

人生って思い通りに行くことばかりじゃないけれど、それでも前を向いて生きていかなくちゃっていう応援歌のようなドラマですw

感想

オムニバス形式で語られる人間ドラマ

このドラマの特徴はオムニバス形式になっていること。
そして、それぞれのストーリーが全て1つの時間軸でつながっています。

具体的には、

  • ハンスとウニ(1、2、3話)
  • ヨンオクとジョンジュン
  • ヨンジュとヒョン
  • ドンソクとソナ(1、2、3話)
  • イングォンとホシク(1、2話)
  • ドンソクとソナそしてヨンオクとジョンジュン
  • ミランとウニ(1、2話)
  • ヨンオクとジョンジュンそしてヨンヒ(1、2話)
  • チュニとウンギ(1、2話)
  • オクドンとドンソク(1、2、3話)

という大きく分けると8つのストーリーがあって、水産市場で店を構えるウニを中心にそれぞれのお話が展開されていくよ~。

tvN公式より

ドラマって華やかな世界が描かれることが多いけど、このドラマはだいぶ違っていて、今までのドラマではスポットライトが当たらなかったような人たちが主な登場人物なの。

済州島の魚市場を舞台に、小さな島で海と共に生きる人たちの物語。派手な話ではないものの、人前では陽気にふるまう身近な人たちがひっそりと抱えている解決しがたい問題をリアルに描いていて、「これはまさに私の話」と思うくらいのリアリティがあった。

momoruru

この続きはネタバレありますのでご注意を~

生きていくって大変なこと。

そしてオムニバスなだけに登場人物が多く、それぞれの夢や希望や幸せな部分も描かれるものの、同時に見えてくる不幸の量が膨大すぎて…見てて辛くなってくるほど。設定にリアリティがあるだけに本気で身につまされるのに、現実と一緒で、そう簡単には解決できないことばかりなのよ。

借金まみれの銀行員の話に始まり、高校生の妊娠、退学、うつ病、離婚、親権争い、父親の自殺、DV、両親の事故死、障がい、愛人、いじめ、親との絶縁、未治療の末期がん…。

挙句の果ては、夫が死んで4人の息子のうち3人が死んで、最後に残った息子が事故で意識不明の重体に…という話まであって。「神様はいるの?」って言いたくなるくらいの辛いシーンもあった。

何とかしようと必死で足掻いても、運命には抗えない時もある。だから泣いて叫んでボロボロになって、それでもいつかはそれを受け入れて、仲間と肩を寄せ合って生きていくしかなくて。そしてその仲間たちもまた同じように、自身を蝕み続ける痛みを十分に知っている。

そんな登場人物たちを見ていたら共感し過ぎてもう涙が止まらなかった…。

tvN公式より

1話60分を20話分。これだけ膨大な量の不幸を描いて、それなのにこのドラマの最後で流れたメッセージは、

「私たちは不幸になるためではなく 幸せになるために生まれてきたのです」

…それでも前を見て生きろってことなのよね。
なんだか切なく感じちゃった~。

このドラマの意図は十分理解できるし素晴らしいドラマなんだけど、本当に深くて重い内容なので、共感力が高い人は辛くなってしまうかもしれないし、視聴後に気持ちが沈むことは避けられないかも。

出演者が豪華すぎる!

このドラマはオムニバスなせいもあって、1つのドラマなのに主役級の演者さんが勢ぞろい!!出演料大丈夫なの?!って思っちゃったよ。ほんのちょっとしか出ない役なのに有名な人も出てたりするよ~。

大勢いる出演者の中で一番気になったのは、…うーん、やっぱりウニ役を演じてたイ・ジョンウンだったかな。ジョンウンさんて色んなドラマ出てるけど、最近見た「椿の花咲く頃」ではおばあちゃん役だったし、「海街チャチャチャ」でも成人した娘がいるお母さん役だったし、「ミスター・サンシャイン」でもそうだったし、おばあちゃんっぽい役が多い気がしたんだけど…

なのに今回のウニ役は未婚の50歳前後と思われる役で、髪も茶色く染めてるしカラオケでは歌って踊りまくってて、物凄く若々しくて超パワフル!!それもそのはず、ジョンウンさんの実年齢は52歳なの。逆におばあちゃん役を違和感なく演じてたのが凄いんだと今更知った。すごいw

tvN公式より

続いてやっぱり気になったのが、イ・ビョンホンかな。ストーリー的なメインはイ・ジョンウンな気もしたんだけど、知名度的にはイ・ビョンホンがこのドラマの主演なのかな?(ポスターでも一番イイとこにしっかり座っとるしw)

イ・ビョンホンについて私が何より驚いたのが、なんか結構老けたような気がする…(と言っても若い頃の彼をそこまで知っているわけじゃないんだけど…その昔、日本でゴールデンタイムに放送されてた「IRIS」は見てたぞ)

というのもこのドラマでイ・ビョンホンが演じてたドンソクって男はね、明らかに過積載な気がする荷物てんこ盛りのオンボロトラックで行商生活をしていて、家も無いので寝る時は車中泊かモーテル。性格は短気で攻撃的で、痩せているし身なりも良くないの~。

そんな役のせいもあって、角度によっては60代以上にも見えたりする瞬間が結構あってびっくりしちゃったよ(実年齢は51歳です)。老けたというより役作りなのかな?どっち???(このあと「ミスター・サンシャイン」を見ようと思ってたけど、若干自信を喪失中…)

tvN公式より

キム・ウビンが演じてたジョンジュンが一人だけズルイくらいカッコ良かったな~。みんなどこか癖の強すぎる男ばっかりなのに、ジョンジュンだけめっちゃイイ人だったよね。

ところでこれがキム・ウビン復帰作なのかな?復帰おめでとうございます!(シン・ミナが共演してるのもまた感慨深い!)

tvN公式より

そのほかには、高校在学中に妊娠してしまうヨンジュを演じてたノ・ユンソが、ツンデレでめっちゃ可愛かった!ヨンジュの妊娠を親目線でしか見れなくって、このストーリーは特に泣いたよ~!!

それからこれは超個人的な感想だけど…、借金を繰り返す銀行員ハンソを演じたチャ・スンウォン。このドラマではイケメン役だったんだけどさ…私の中では「がんばれ!チョルス」のチョルスさんのイメージと、「三食ごはん 漁村編」のチャジュンマ(おばさん)のイメージが強すぎて…ww

どう見ても面白いおじさん(おばさん?)にしか見えなくって、イケメンおじさん役には感情移入できなかったかも。

tvN公式より

おばあちゃんたちの神演技!

みなさん実力派揃いなので、誰の演技がどうとか言うレベルでは既に無いドラマなんだけどね。ただ、チュニ役のコ・ドゥシムさんとオクドン役のキム・ヘジャさんのおばあちゃん2人組の演技がね~、もうほんと神がかってたよ!これほんとに演技なの?って疑っちゃうくらい表情が凄い!彼女たちの人生も本当に過酷過ぎて…涙なしには見られなかった~。

tvN公式より

その他にもこのドラマでは障がい者役を障がい者が演じていたりしていて、素晴らしい演技と共に等身大のリアリティがたくさんあったドラマだと思う。だから見ていて心を揺さぶられるんだろうなー。心に残るシーンやセリフもたくさんあったし、完成度の高い素晴らしいドラマだった!

いっぱい泣いていっぱい感動したけど、心に刺さるダメージも多かったので、次は底抜けに明るいドラマが見たくなったよ~!!w

しっかしここまでのたくさんの内容をぎゅぎゅっと20話に収めて完成させてしまうのって何気に凄いと思うのよねえ。
そしてそれが可能ということが証明されてしまった今……そもそも1つのストーリーだけで20話も必要なのかな?という素朴な疑問が生まれたりもw(韓国ドラマって基本長いよね)

momoruru

人生勉強としての教育的な評価は98点くらいありそう

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