韓国ドラマ「ミスター・サンシャイン」の作品情報・あらすじ・感想

さてさて私は最近「ミスター・サンシャイン」を見ていたよ~。1話70分前後で24話まであるのでなかなかボリュームがあったんだけど、なんだかんだ飽きることもなく見終わっちゃったw

目次

作品情報

  • 邦題:ミスター・サンシャイン
  • 原題:미스터 션샤인
  • 英題:Mr. Sunshine
  • 放送:2018年
  • 話数:24話(1話約70分)
  • 日本国内配信:Netflix(2023.8現在)

予告編

あらすじ

主人から命を狙われた奴婢の子ユジンは、密かに軍艦に乗り込みアメリカへ渡る。異国の地で成長したユジン(イ・ビョンホン)は米軍大尉となり、祖国朝鮮へと派遣されるのだった。

ユジンは朝鮮での初任務として、日本に情報を売っていた米軍の外交顧問を銃で暗殺する。しかしその時、同じ標的を狙って銃を構えていたもう1人の人影を発見する。それは朝鮮最高の名門家の令嬢エシン(キム・テリ)だった。彼女は祖国の独立のため、密かに銃を持ち戦う義兵の一員だったのだ…

1900年前後の朝鮮激動の時代、歴史のうねりの中で祖国の未来を憂いた男女の愛と葛藤を描いたヒューマンドラマです。

評価(momoruruが勝手に採点♪)

momoruru

総合評価 92点

自分を捨てた祖国の地に米軍大尉として戻ってきた男と、自国の尊厳を守る戦いに身を投じた令嬢の、愛と葛藤を描いたドラマだよ。

推定430億ウォンの巨額の製作費を投じ、豪華キャストを集結して生み出された超大作ドラマ。セットも衣装も圧巻で、迫力の映像に一気に引き込まれたよ~!

感想

豪華なオープンセットを見に行きたい~!

このドラマめちゃくちゃお金かかってんの~!総製作費はドラマとしては異例の推定430億ウォン!韓国の論山市にはドラマに出てくる路面電車も見られる巨大なオープンセットがあるらしく、見学もできるみたい。なんか規模が桁違いだ!

そこまでお金かけて作られた映像は一体どんなものなんだろうってすごく気になってたんだけど…。このドラマ、日本の描写がちょっと辛いという噂を何度か聞いていて、見ようかどうしようか迷ってたのよね。でもキム・テリ好きだし!ってことで結局視聴してみることにw

日本の描写については、うーん、基本的にはどれもそうというか。
歴史認識が立場によって異なってしまうのは避けられない面もあり、現状として韓国で製作してるドラマが日本軍に好意的な内容で放送できるわけないしね。やはりこの問題については常にヒリヒリしちゃうよね。このドラマも、親日派美化ではないかという批判があり、ドラマの中でも「黒竜会」から「武臣会」に名前が変わったとかいうトラブルもあったみたい。ましてこのドラマは日韓併合直前の時代を扱っているので…まあ色々察して見ることにしたのよ~。

tvN公式より
momoruru

この続きはネタバレありますのでご注意を~

和装に違和感ないって意外と凄いのでは?

心配していた日本の描写について言うと、感情的な面は他の韓国ドラマとそれほどは変わらないかなという印象を受けたよ。(感じ方は人それぞれなのでここでは詳しく触れませんが)

けれど感情面以外での日本の描写に関しては、個人的にはむしろ他のドラマより比較的忠実で驚いたかも。

これ韓国だけじゃなく海外ドラマ全般に言えることなんだけど、海外ドラマや海外映画での日本の描かれ方って結構誤解が多いのよ(勿論、逆に日本の映画でもそうなんだろうけどね)。

欧米の映画だと、完全に日本と中国を間違えてるパターンがめちゃくちゃ多いし、それから忍者とか芸者のイメージが強すぎるのか、ただの町娘なのに花魁かってくらい振袖を気崩してたり…、あとやたらすぐ切腹するしね。そんなハチャメチャJapanに呆れることも多いんだけど、このドラマはそういうのがほぼ無かったかも~!

まず看板の日本語が全部日本語として成立してる(これは凄い)。そしてホテル支配人の工藤陽菜をはじめ、和装の着方に違和感がない(こんなの初めて)。それから東京で催されてたお祭りが本当の日本の祭りだったり(さんさ踊りは盛岡だけども、きちんとした保存会の人が出演してた気がする)。軍服も忠実に再現されてたようで、日露戦争を機に日本の軍服が紺色からカーキ色に変わるとこまで、かなり細かい。浪人役のク・ドンメの服装も最初は袴を履いてたのに、アヘンに溺れた後から袴無しに変わってたりとか。かなりの日本通ね~!と思って見ていたよ。

tvN公式より

あ、でも、節分に豆100個食べるって言ったらオマエ朝鮮人だなって言われて日本人になぶり殺されそうになってたシーンがあったんだけど、…私…節分の豆は年の数以上に食べちゃうよ~。だって美味しいから…。

日本語を日本語字幕で見るという違和感…

でもこのドラマに関して言えば、日本の描写がどうこうよりも、不自然な日本語のシーンの方が私は気になっちゃったかも~!

まずこのドラマ、私が見た韓国ドラマの中では最も日本語シーンが多い!日露戦争直前の朝鮮が舞台なので、朝鮮国内にたくさんの日本軍や米軍がいて、韓国語以外にも日本語や英語があちこちで飛び交ってんだけど、もしかしたら全体の1/5~1/4くらいは日本語かもしれない。日本人役同士が日本語で話すシーンも結構あるんだけどね、でも、ほぼ全ての役を韓国人俳優さんが演じてるので…日本語がたどたどし過ぎて字幕なしでは完全には聞き取れないのよ~。(私が聞いた中で日本語ネイティブっぽかったのは、伊藤博文、森大佐の部下、親分など4~5人だったかな?)

もうこれはこういうドラマなんだと思って字幕で見るしかないんだけど、やっぱり日本語を日本語字幕で見るという違和感は最後まで拭えなかったかも…。(配信当時、日本語が上手すぎると絶賛されていたという話も聞いたことあるので、私が厳しいだけかもしれませんが)

ドラマというより映画のような映像美

そんなわけで日本の描写に違和感がなかったとは言えないドラマだけれど、全体的にはやはり映像の美しさが圧巻すぎて、なんだかんだこの世界観にすっかり浸ってたのよね。

ひとつの街をまるごと作ってるような巨大なセットからは当時のノスタルジックな雰囲気がしっかり伝わってきたし、ホテルグローリーは外観も内装も風格があって映えてるし、韓服も洋装も和装もある美しい衣装も見ごたえ十分。

そんな重厚な雰囲気の中で、悲惨な過去を引きずったまま生きるしかない男女たちの抗えない運命が、豪華なキャストによって熱演されてるので、もはやドラマというよりも長い映画を見てるような感覚だったかも。

tvN公式より

キム・テリってキリっとしてる

ヒロインのエシンを演じてたキム・テリは流石の安定感~!ありふれた幸せを選ばずに、自分の理想とする道をひたむきに生きていこうとするエシンの賢さや意志の強さが滲み出ている演技だった。キム・テリって低音で一言ずつゆっくり話すから、高貴な人の偉そうな物言いがめっちゃ似合ってる~。

でも「お嬢さん」と呼ばれてはいたものの、当時の感覚でいけばもう若くはない年齢のはず…。エシンは3人に愛されるキャラクターなんだけど、3人の男を翻弄(?w)するほどの艶のあるキャラというわけではなかったので、「なんでみんなエシンにそんなに夢中なの~?」(ヒソンに至っては33歳で婚約者に今更一目ぼれだし)という謎はあったような気も。

tvN公式より

意外と年の差カップルだったのね

主人公ユジン・チョイを演じてたのはイ・ビョンホン。私の中のイ・ビョンホンのイメージは遥か昔に日本で放送してた「IRIS」の若さのままで止まってて、最近「私たちのブルース」を見たときビックリしたんだけど、それもそのはず「IRIS」ってもう13年も前で、イ・ビョンホンって今はもう50代なんだって。…うーん、歳月よ~!

で、この「ミスター・サンシャイン」撮影当時、イ・ビョンホンは48歳くらいだったはずで、キム・テリ28歳とは驚きの20歳差もあるんだけれど(親子でもいける!?)、でもね、もともとユジンは41歳くらいの設定で、エシンは28~29歳の設定のはずなので、そもそも年の差カップル設定なんだと知って納得。

さすが俳優さんだけあって年齢よりは断然若く見える…でも正直に言うと前半は2人の絡みには若干の違和感を感じたかも(だって~アップになると髪の毛がちょっと薄いんだもん)。30代が多かった他のメインキャストと比べてしまうと、ちょっとだけお父さんぽく見えちゃうシーンもあったかも。

でもやっぱりイ・ビョンホンは上手いんだよなあ~!後半、見慣れてきたら年齢的な違和感もなくなってきたし、これはこれで良い配役だったのかなw

tvN公式より

ク・ドンメだけカッコ良過ぎたw

このドラマには、主人公ユジンのほかに、エシンの事を想う2人の男が出てくるんだけどね。そのうちの1人、武臣会の浪人ク・ドンメがもうめちゃくちゃにカッコイイのよ~!!(きっと同じ意見の人も多いはずw)

てゆうかさ、なんでか明らかに1人だけ男前に描かれてない?!wもちろんもう1人のエシンの婚約者だったキム・ヒソンも優しくてイケメンで捨てがたいんだけどさ…でもでも~、長髪でワイルドなキャラにめっぽう弱い私は、開始早々にして速攻ク・ドンメ推しに!!w

派手な着物の衿がはだけてて胸がチラ見えしてるのとかカッコ良過ぎるんだけど~!ワイルドなのに喋り方は丁寧だったりして、そういうギャップもイイw

tvN公式より

演じていたユ・ヨンソクは何度か映像で見たことあって、正直そんなに好きな顔じゃなかったのに(どうもすみません…)、このク・ドンメ役はめっちゃカッコ良くてビックリした!髭と髪でこんなにイメージ変わるの!?さすがは俳優さんだわ。顔が小さくて体格が良いので、とにかく和服が似合ってた~!

で、ラブをする話はどこ行ったのかな?w

ただ個人的に残念だったのは、このドラマって恋愛要素が極端に乏しいのよぉぉ…!!!主人公のユジンとエシンは両想いだし、偽装とはいえ結婚もするし、結婚指輪だって大切にはめているんだけどね。時代背景もあるんだろうけど、最後までキスもしない!(戦慄!w)ごくたまーに手を握ってたけど、ハグしたのだって2~3回?てゆうか、そもそも2人が会うチャンスがほぼないし、たとえ会えても短い会話を交わすだけ。

なんかー、ここ最近私が見るドラマって「恋愛ものかと思って見たら違ったわ…(泣)」っていう作品が続いてて…ラブコメに飢えてる私にはちょっと歯がゆすぎて辛かったw

序盤で「ラブをする」って宣言してたのに、おかしいじゃんっ!ww

tvN公式より

そして前述の通り、私は一貫してク・ドンメ推しだったので「エシンお願いよ~!1回だけでいい!ク・ドンメにハグくらいしてあげて!」ってずっと願いながら見てたのよ~。だってク・ドンメは最初から死ぬフラグ立ちすぎてんのよ。絶対ヒロイン守って死ぬパターンの人じゃん~。どう考えてもエシンとは結ばれない感じなのに、エシンに触れたのは腕をちょこっと引っ張られてドキッとしたあの瞬間だけ?はああ?あんなイイ男がそんな淡い思い出だけを胸に死ねってのかよ~!!(怒ww)エシンのガードは固すぎるんだっ!

もうさー、ク・ドンメはさ、いっそ1回くらい強引に抱きしめても良かったんじゃないの~?(そんなことしたらエシンに撃たれたかもしれんけど、それもまたそれでヨシw)

tvN公式より

「guns, glory and sad ending…」ってこのことだったんじゃん!と最後に唸るエンディング

ドラマの中で工藤陽花も言ってたけど、エシンは結局、3人の男たちの運命を狂わせた女なのかもしれないのよね~。男たちがエシンを勝手に好きになって、勝手にエシンに尽くしただけとも言えるけどさ。

tvN公式より

「guns, glory and sad ending…」まさにその言葉通りのストーリー…。

自国の尊厳を守るというエシンの志は尊かったけど、途中からはもうほぼ勝ち目のない捨て身の戦に身を投じているわけで、そのために犠牲になった命や、失った儚い希望を思うと…なかなかに辛いストーリーだった。エシンが自分の夢を手放して、誰かを幸せにする道もあったわけで、若干の虚しさは残ったなあ。

tvN公式より

とはいえ、日本の描写は別とすれば、脚本には隙もなくて素晴らしい仕上がりだったと思うし、確実にお金かかってるなあっていう豪華な映像も楽しめたし(さすがはネトフリ資本w)、キャストの熱演にも唸ったしで、全三部作の超大作映画を一気見したくらいの充足感が味わえるドラマだった~!

あ、そうそう、結局「Mr.Sunshine」とは誰だったのかな?w

momoruru

電車を切り離したとき、こっち側に飛び移れたような気も…

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