「恋愛体質」ってという甘めなタイトルに騙されちゃだめよ~w
ドラマ内でも「メロ」について語られるシーンが多いんだけれど、これははっきり言って恋愛ドラマじゃないかも。どっちかっていうとアラサー女子たちの生き方を描いたヒューマンドラマかな?
甘い恋愛模様を期待して観てたら、良い意味で裏切られちゃった。観る前に想像してたよりずっと深いドラマでした~!
作品情報
- 邦題:恋愛体質〜30歳になれば大丈夫
- 原題:멜로가 체질
- 英題:Be Melodramatic
- 放送:2019年
- 話数:32話(1話約35分)
- 日本国内配信:Amazon Prime Video・U-NEXT・Hulu(2022.10現在)
予告編
あらすじ
評価(momoruruが勝手に採点♪)
総合評価 90点
主人公のジンジュが書いた脚本がドラマ化されていく過程を背景に、3人のアラサー女子たちの恋愛観や仕事観を描いていくドラマだよ。
30代女性が社会で生きていく葛藤が丁寧に描かれていて共感できるポイントが多すぎる名作ドラマ!心に残るセリフがいっぱいあったw
感想
確信を突いてくるセリフたち
仕事、友情、恋愛、家族…、積み上げた実績もこじらせた経験やトラウマもそれなりにある30代女性3人が主人公。理想だけじゃなく現実を分かっている3人が、友情に励まされながら、それぞれに自分自身と向き合って進むべき道を選択していくのよね。ラブコメにジャンル分けされてることも多いんだけど、内容はもっとヒューマンドラマ寄りかな。どの道を行くのか、何を選択するのか、登場人物たちと一緒に考えさせてくれるような絶妙なストーリー展開だったよ。
財閥もドレスもおしゃれなオフィスもぜーんぜん出てこないし、かつイケメンがほぼ不在。なのに夢中になって見てしまったのは、そこには自分にも重なるリアリティがあったから。身に覚えがある行動とか、耳にしたことのあるセリフが出てくるたびにハッとして、見ていて心に刺さるシーンが多かったのよ~!
普段言葉にはしないけど、女性として生きていく中でうっすら感じてる心の不協和音みたいなものってあるじゃん。そういう気持ちに、このドラマがちゃんと言葉を与えてくれたような気がして心地良かった!
この続きはネタバレありますのでご注意を~
チョン・ヨビンの視線に虚無を感じた
3人の主人公の中で、一番目を引いたのは「ヴィンチェンツォ」でおなじみ(?)のチョン・ヨビンが演じてたウンジョンだったなあ。
死んだはずの彼がいつも隣にいて、彼に問いかけられたり、彼に問いかけたりしながら生きているウンジョン。彼氏と会話してるときのウンジョンの視線は、穏やかなのに怖いくらいの静寂があって、彼との会話はウンジョンの心の声なのかもしれない…と思うと見ていて切なかった~。
ウンジョンが、何もない空間に向かって喋っている自分の映像を見てしまうシーンとか、本当に泣けて泣けて…。
途方もない悲しみに壊れてしまった心を抱えながら、ゆっくりと自分を取り戻そうとする姿に胸を打たれたよ~。
弟くんの部屋着がイイw
そんなウンジョンに寄り添っているウンジョンの弟役のユン・ジオンもまた良かったね~。この役は途中降板したオ・スンユンの代役だったそうで、しかも既に撮影に入ってからの降板だったので結構撮り直してたっぽい。けど、そんなこと微塵も感じさせない溶け込み具合だった~!3人の姉さんたちがいるリビングでの独特な存在感も素敵だったし。そして彼の恋愛観もこのドラマに深みを与えてた気がする。
ジェフン可愛かったんだけどな~w
女性3人の中では唯一の既婚者で、シングルマザーのハンジュには色々驚かされたよ~!後輩ジェフンはハンジュのことを慕っていたし、ハンジュもジェフンを可愛がっているし、この二人の未来は何かあるのかな?…と見せかけてからの、本当の彼氏は別の若い男って話がこのドラマで一番衝撃的だった!そこは全く読めなかったわ!
基本的に捻って来るこのドラマ、たしかにあのままくっついてしまうのは安易すぎたのかなあ…?
でも私はむしろジェフンよりも、新たに登場した若い彼氏よりも、ハンジュの元夫の方が気になっていて。
第1話であった「君の幸せは、僕とは関係ないだろ」っていう冷静なセリフに、恋愛の真理を感じずにはいられなかったんだよね…。このセリフで私はこのドラマに釘付けになったのよねw
思いやりのない自分勝手な夫だったけど、極論を言えば、彼の考え方もまた正義だと思ってしまう。恋愛は自分と相手を同化させる妄想に陥りがちだけれど、自分の人生や幸せは自分だけのものだし、君の人生や幸せもまた然り…。
主人公カップルの会話が難しい~!
主人公の脚本家ジンジュと監督ボムスがドラマの企画を立ち上げていくところがこのドラマの軸となるストーリーなので、2人の会話シーンがとても多いんだけれど、彼女たちの会話は私にはなかなか難解だった!
物書き特有のウイットに富んだ会話をなんだろうけど、会話が比喩の連続で…、何度も私の知能の限界を越えていっちゃったのよ~。抽象的な会話内容が多かったので、言葉の壁?というか字幕の壁を超えてた気もかなりするけどね。
それから、ジンジュが書いていた脚本「30になれば大丈夫」がドラマ内の現実と完全にリンクしているんだけど、この設定はちょっと理解できなかったかなー。正直そこまでリンクしなくてもいい。私にはもはや何が現実なんやら訳わからなくなってきてたので…。
男性の描き方が上手かった
これって女性向けなドラマだとは思うんだけど、すごく印象的だったのは男性の描き方が上手いのよ!登場する男性がみんな人を惹きつけるキャラクターなんだよね。どの男も印象悪く始まるんだけど、エピソードが重なるごとに意外な発見が積み重なって、”イケメンじゃないんだけど魅力のある男”を描くのがすごく上手だと思った!
だってアン・ジェホンはイケメンではないはず(ごめんよ…)なのに、たとえ女優と付き合っててもアリかな~とか妙に納得させてしまう謎の説得力あったもん。(しかしアン・ジェホンが私の中でチャ・テヒョンと混ざってきていて…。どっちがどっちか混乱した。「プロデューサー」でのチャ・テヒョンもTV局勤務なだけにめちゃ被るぞ~!)
(あ、イケメン不在というわけじゃなくて、ソン・ソックがじわじわ来る役で出てたし、コンミョンの顔の小ささと肩幅の広さに驚いて二度見したけどねw)
ドラマってあんな風に作られるんだって初めて知った!
いや~しかし、韓国ドラマ色々見てきたけど、ドラマの中でドラマを作るっていうストーリーは面白かったなあ。韓国ドラマってこういう風に作られてるんだって初めて知ったことが多くてすご~く勉強になったもん!脚本家と監督の力関係とか、制作会社とテレビ局の仕事の違いとか、スタッフの選定やキャスティングとか、それに間接広告の入れ方までじっくり学べるので興味津々で見てたよ!ほんと、この部分は必見かもw
セリフはときどき結構小難しいんだけど、これはなかなかの名作ドラマ!