物価高で日々の食費がどんどん上がっていくのに耐えかねて、庭にきゅうりとトマトを植えてみたよw 食費と関係ないけどヒマワリまで植えちゃったりして。庭仕事苦手だけど、ちゃんと収穫できるかな~?
最近は家族の都合で少し忙しいんだけど、ちょっとずつでもドラマ見て元気もらって、頑張って感想をアップしていくぞー!
作品情報
- 邦題:恋人~あの日聞いた花の咲く音~
- 原題:연인
- 英題:My Dearest
- 放送:2023年
- 話数:42話(1話約35分)
- 日本国内配信:U-NEXT(2025.5現在)
予告編
あらすじ
評価(momoruruが勝手に採点♪)

総合評価 90点
ストーリーもキャストも演技も素晴らしい、超大型ロマンス時代劇!
戦乱の時代を生き抜いた人々の生きざまを、壮大な映像と共に丁寧に描き切った感動的なドラマだった~。
でもロマンスに関しては、序盤からハマれなくて大苦戦だった…
感想
激動の時代を生きた人々の人間ドラマ
2024年の百想芸術大賞の作品賞と男性最優秀演技賞の2冠に輝いた、ナム・グンミン&アン・ウンジン主演の超大型ロマンス史劇!
たくさんの賞を受賞してる人気ドラマで、放送当時から「泣ける!」って聞いてずっと見たかったんだー。出演するドラマは必ずヒットさせちゃうナムグン・ミンの演技力の高さは流石で、「演技の神様」って呼ばれるのも納得~。

もともとは全20話のはずが1話延長して全21話になってるし(U-NEXTでは42話編成。途中で90分の回があったり、最終話が100分くらい)、ドラマの舞台もヌングン里、南漢山、江華島、漢陽、瀋陽と次々に場所を移して壮大なスケール感。まさに超大作の風格あったね。
物語の始まりは1636年。長閑な村ヌングン里で運命の愛を夢見る娘ギルチェと、村に訪れた謎の男ジャンヒョンが運命的に出会うものの、やがて戦争が始まって離れ離れになって…と前半は「風と共に去りぬ」を彷彿とさせるストーリーだったりするんだけど、朝鮮王朝激動の時代の中で、別れと再会を繰り返していく切ないロマンスを美しく描き上げていきます~。

過酷な現実の中で、長い時間を経て愛を深めていくロマンスは、何度泣いたか分からないくらい切なかった!
でもこのドラマ、ただの時代劇ロマンスだと思って見始めるのはちょっと違うのかも。
なぜなら、このドラマのもう一つの魅力は、当時の朝鮮半島で実際に起きていた激動の史実が詳細に描かれていること。朝鮮王朝にとって非常に厳しい時期であったこの時代に、生きるために必死にもがいていた人々の人間ドラマがすごくアツイの!
何のために生きるのか?
誰のために戦うのか?
信じた思想は正しいのか?
それぞれの身分や民族、地域や性別、置かれた環境の異なる様々な登場人物たちが、懸命に生きていく姿には、考えさせられることが多かった。
そんな人間ドラマがじっくり堪能できるロマンス史劇だし、ストーリーもキャストも演技もOSTも良い素敵な作品なので、視聴時間はちょっと長めだけど、きっと完走できるはずw
朝鮮王朝の屈辱の時代
感想を書く前に、このドラマの時代背景をちょっとだけ説明。
このドラマより少し前の時代…
中国大陸では漢民族の国「明」が、モンゴル民族の国「元」を倒して支配権を握ったんだけど、北からはモンゴル民族の残党に攻め入られ、さらには日本が朝鮮半島に攻め入って来て、「明」は混迷。
その頃、中国東北地方の女真族が結集して作った国「金」(これがドラマで出て来る「後金」のこと)が台頭して、遂には混迷した「明」を滅ぼしちゃう。この「後金」が名前を変え、みなさんよくご存じの「清」という国になって中国を統一します。

ちょうど「後金」が「明」を倒そうと戦っている時期あたりからがこのドラマで描かれているんだけど(序盤のお祭りのシーンで、儒生たちが「明」に味方して「後金」を倒そうって話してたね)、この時代を治めていた朝鮮王朝・第16代王である仁祖の時代は、朝鮮の屈辱の時代とも言われているんだよね。

この続きはネタバレありますのでご注意を~
というのも、ドラマ内で出て来た「後金(清)」の2度目の朝鮮侵攻「丙子の乱」の際に、仁祖は南漢山城に立てこもるんだけど、圧倒的な「清」の兵力を前に降伏し、これ以降、朝鮮は清の冊封国になるんだよね。更には、仁祖の長男である昭顕世子が「清」の人質となって8年間も瀋陽に抑留されたし、清軍は50万人もの韓国人捕虜を連れて帰ったとか。

ドラマで描かれていた通り、昭顕世子は帰国後すぐに謎の死を遂げ、昭顕世子の妻である姜嬪が謀反を疑われて自害させられたりしており、真実は不明ながら仁祖の関与を疑う声もあるんだとか。
(昭顕世子のお話はドラマ「チュノ推奴」や「華政」でも出て来るし、映画「梟ーフクロウー」でもその死が扱われているので興味あればどうぞ。ちなみに今回昭顕世子を演じたのは、永野芽郁ちゃんの報道で最近茶の間に登場しがちだったキム・ムジュンくんでした…頑張れムジュンくん)
この時代の中国大陸&朝鮮半島って、戦争によって民族が入り乱れて、それぞれの文化が敵対したり混ざり合ったりしたとてもダイナミックな時期なんだけど、それだけに生きることが大変な時代だったんだろうね…。
何を信じて生きるのか
そして生きるのが大変な時代だからこそ、登場人物の考え方がそれぞれの生き方に色濃く反映されていて、そこがすごく見ごたえのあるドラマだったと思うんだよね。
たとえば、女真族と朝鮮の人々の対比では、生きるためには家族ですら殺さなくては成り上がれなかった女真族の野蛮さや力強さと、儒教の教えを信じて聖君を待ちわびる朝鮮の人々の脆さや気高さを、光と影の両面から描かれているのが印象的だったり。

特に儒教思想についての描写が多くて、子が親を助け、民が王を助ける、という立派な儒教の思想があっても、誰もが孔子が求めるような高潔な存在になれるとも限らず、上に立つ者が君子でなければ虚しいだけ…という悲しい側面も描かれていたよね。
王様は聖君どころか猜疑心が強すぎて精神も崩壊し、途中までは君子のように見えた師匠(ジャンヒョンの父)もまた、家門の名のもとに保身に走ってしまうし。思想が崇高でも現実は厳しくて…。

そして歪んだ政治の弊害は、結局は全て民へ返ってくるわけで。清から屈辱を受け、朝鮮王朝は傷ついたかもしれないけど、結局のところ、戦いで血を流し、貧困にあえぎ、奴隷として売り買いされ、理不尽に死んでいくのは最も弱い民たちだったよね。
ジャンヒョンが頑なに世子や王に迎合しなかったのはきっと、理想と現実が乖離している矛盾に納得できなかったからじゃないかな~。

この矛盾は、ヨンジュンとジャンヒョンの会話や対立を通じても描かれてた気がして。ヨンジュンはいつも国や師匠のために戦いに出るんだけど、ジャンヒョンはいつも自分の大切な人たちのために戦うんだよね。さらには戦いの後、ヨンジュンは妻が敵国に辱めを受けたのではないかと疑って妻を遠ざけるんだけど、ジャンヒョンは、清に辱められたと告白するギルチェに対して、それなら抱きしめてあげなきゃ、痛かったでしょって慰めてくれるという(さすがは完璧男~!)。

思想が人を救うこともあるけれど、時には思想が人を苦しめることにもなる。そう考えると難しいよね。特に命を奪い合う戦時下においは、何を信じて生きるのかということが、本人だけでなく周りの人を生かすか殺すかにつながっているんだろうな。

今回はどうしても無理だった…
ロマンスのドラマなのに、私ってば歴史と思想の話しか書いてない…?
というのも実は私、このロマンスにはあんまりハマれなかったの~!(涙)
(きっと共感を得られない気がするので、この感想は「そう思う人もいるんだなー」という参考程度に読んでいただけると嬉しいです~)
いや、いっぱい泣いたのは本当なのよ。深い愛情をも打ち砕く過酷な現実を前に、愛する人と別れなきゃいけない、でもやっぱり会いたい…っていう気持ちは本当に切なかった。
でもどうしてもメインキャラクターにハマれなくて~。
私の周りではヒロインのギルチェが苦手って人が多かったんだけど、私はその逆で、むしろジャンヒョンにハマれなかったんの。

ナムグン・ミンは本当に素敵なんだけど、ジャンヒョンがよくやる、あのすっとぼけた顔とか少々ひねくれたセリフがどうしても…若かりし頃に働いていた会社にいた40代のおじさまたちを思い出して仕方なくて…おじさまたちはね、ちょっと気の利いたこと言うと、得意気にあのとぼけた顔するんだってばー!
ナムグン・ミンって撮影当時44~45歳くらいなので、イケメンなのかイケオジなのか、ぶっちゃけ迷うあたりというのもあってか、序盤はどうしてもジャンヒョンを愛せなかった自分がいた。
もう今回は…どうしても無理だった…(完全に個人的感想です)

序盤でのギルチェもね、「あの村には尻尾が99本あって男を惑わす魔物がいるんだぞ~」みたいな噂が村の外まで知られてたから、とんでもないメギツネちゃんがいるのね?と思ってワクワクしたのに、全然そこまでの悪女じゃないっていうか、ただのかまってちゃんだったりして。悪女には見えない柔和な顔立ちに肩透かし~。
アン・ウンジンも当時31~32歳。結婚前の設定なのに思ったより主演陣の年齢層高めなのもあって、スタートでメインカップルにハマれなかったのが波に乗れなかった原因かも。

でもギルチェは好きなキャラクターだったのよ。欲深いんだけどそのぶん情も深いし、なによりギルチェには体力と行動力があるから、戦争とか緊急事態には誰より役立つんだよね。世間を知らないお嬢さんが、誰よりも苦労を重ねて、大人の女性になっていくというギルチェの成長物語は、時に悲しくて時に頼もしくて、見ごたえあった!

漫画では?と思うほどの完璧男
ジャンヒョンについてもっと書いてもいいかな?(苦手と言いつつめっちゃ気になってる私w)
戦争が始まると、遊び人風の屁理屈男だったはずのジャンヒョンが、実はめちゃくちゃ戦いに強いことが発覚。
ただこれが、ほんと想像を超える強さなのー!急に「るろうに剣心」なんですけどー!
頭脳明晰で口も上手いし商いも得意で女の扱いも心得てるジャンヒョンが、剣も一流て…、文系なの?体育会系なの?どっちー?とにかくこの男の万能感が強すぎるのよ~!

ギルチェに何度も断られてるのに、嫌われない程度の距離を保ちつつ、ギルチェのピンチには駆けつけて戦ってくれて、一途にギルチェだけを愛し続けるなんてもう…なんなんだこのキャラクター。あまりにも完璧すぎて、私の中のダメ男好きがモノ申してたっていうか、漫画みたいな展開にリアリティを感じにくかったかも~。
漫画みたいといえばそれ以外にも。
ジャンヒョンが言い寄ればギルチェは断るし、ギルチェが言い寄ればジャンヒョンが断るし…
戦争行くぞ、死ぬかもしんないよ、っていう危機的状況の時でさえ「好きじゃないもーん」みたいなつまらん意地を張ってみたり、敵が近くにいるかもしれないのに「旦那さま」って呼んだかどうかしつこく確認してみたり…
頭部強打からの記憶喪失はなんと2回も!脳損傷が心配よ。1回目はなんとか記憶が戻ったけど、2回目はさすがに無理でしょって私は諦めたもの。それかもう記憶喪失が癖になってるのか?!

「少しあれ」の意味が、「一瞬で心を奪われた」という意味だったなんて…そんなん言われなきゃ分かるわけないだろ~!!ww
ジャンヒョンについては全体的に漫画っぽすぎて、違う意味で「少しあれ」って思っちゃったかなー。
ただジャンヒョンが一生懸命走って来るシーンにはめっちゃ心打たれた。ナムグン・ミンめっちゃ走ってる!!って胸がギュッってなったよw
あとね、これちょっと書きたかったんだけど、ジャンヒョンって皇女さまに一瞬揺れたよね…?あの森の中でキスするシーンのとこ。
ギルチェだって別の男と結婚してるのでお互い様なんだろうけど、ギルチェの場合は、お父さんの面倒を見てもらわなきゃいけなくて、心じゃなく条件で結婚したのかなと私は解釈したんだけど(w)、ジャンヒョンってそういうんじゃないじゃん。森の中で皇女にキスされて抵抗しないのを見て、「あらヤダー!(この人やってもうたな)」って声出たし、そこだけ唯一完璧男じゃなくて人間らしかったかな。

それにしても男前な皇女役のイ・チョンアが美しすぎて…私でも惚れる。あんなの不可抗力だよねw
OST
超大作だけにOSTも素晴らしかった~!
まずはやっぱりこの曲から。
Kaiの「 다만 마음으로만(With My Heart)」。ドラマ内ではリャンウムが歌っていたので、メロディが記憶に残っている人も多いはず。
リャンウムを演じてたキム・ユヌくんが本当に素敵だったので、いつも惚れ惚れして見てただけど(ドラマ内では貴重な若者イケメンキャスト!)、吹替でこの曲を歌うシーンで地声と違い過ぎて「え?こんな声だったっけ?」て思ったの私だけ!?w

実は、リャンウムがドラマ内で歌うシーンで流れているのは、パンソリ歌手パク・サンフンの歌声なんだそう↓。パンソリは「ジョンニョン:スター誕生」のパンソリだよー。
そして同じ曲を主演のアン・ウンジンも歌ってまーす。
アン・ウンジンは、キム・ゴウン、イ・ユヨン、イム・ジヨン、パク・ソダム、イ・サンイ、キム・ソンチョルと同じく韓国芸術総合学校の2010年度卒業生。ミュージカル出身なので歌も上手いね。
同じ曲を色んな人が歌うのってそれぞれの味わいがあって面白い試みw
そして私の好きなキム・ピルの「나의 별이 돼주오(My Star)」。どの曲で聞いても素敵な歌声。
最後はThe Strayの「기다리는 사람」です。
他にも良い曲はあったんだけど長くなりそうなので今日はここまで。

イ・ジャンヒョン(本名チャン・ヒョン)は、実在した通訳官のチャン・ヒョン(張炫)がモデルと言われてるんだそう。

