韓国ドラマ「愛のあとにくるもの」の作品情報・あらすじ・感想

坂口健太郎ってコン・ユに似てるんだなって、このドラマを見て初めて気が付いた!(遅い?w)

目次

作品情報

  • 邦題:愛のあとにくるもの
  • 原題:사랑 후에 오는 것들
  • 英題:What Comes After Love
  • 放送:2024年
  • 話数:6話(1話約60分)
  • 日本国内配信:Amazon prime video(2024.10現在)

予告編

あらすじ

2019年、自分探しのため韓国から日本にやってきたホン(イ・セヨン)は、小説家を目指す大学生、潤吾(坂口健太郎)と運命的な恋に落ちる。

幸せな時間を過ごし、ずっと一緒にいると誓った2人だったが、すれ違う生活に疲れ果てたホンは、やがて潤吾に別れを告げて韓国へ帰ってしまうのだった。

2024年、父の経営する出版社で室長として働くホンは、出版イベントのために韓国を訪れた日本の人気作家の通訳をするために空港で出迎える。しかし、そこに現れたのは作家として成功した潤吾で…

辻仁成の小説が原作の、忘れられない運命の恋人との「愛のあと」を綴る、美しく切ない純愛ラブロマンスです。

評価(momoruruが勝手に採点♪)

momoruru

総合評価 85点

5年前の日本と現在の韓国を舞台に、かつて愛し合った2人の「愛のあと」を描いた純愛ラブストーリー。
これほんとに韓国ドラマ?って思ったくらい日本のドラマに近い雰囲気もあって、韓ドラ初めてでも観やすいんじゃないかと思う!
でも…「愛のあと」という壮大なテーマに対する説得力が足りない気がするのと、終盤でのホンの感情が分からず、私はちょっと困惑です…。

感想

日韓を舞台に描く純愛ラブストーリー

坂口健太郎&イ・セヨン主演って聞いて、すごく楽しみにしてたこのドラマ。予告もすごく良かったし、第1話からすごく良くてグイグイ引き込まれちゃって、なんだかんだ一気見だった!

自分探しのために日本に訪れたホンが、潤吾と出会い、恋に落ち、やがて別れが訪れて。ホンが韓国に帰国して5年が経った頃、韓国を訪れた潤吾と再び出会い、過去の自分たちを見つめ直していく…という純愛ラブストーリー。

5年前の春と現在の冬を彩る美しい景色や、明るく軽快な映像と静かで重い映像との対比、そして主演2人の演じ分けも見ごたえあり。

過去の「愛」に未練を残す2人が、美しくて幸せだった日々をそれぞれの目線で回想し、あの頃に言えなかった想いをナレーションで表現してるのも印象的だった(予告編の雰囲気そのままです)。

ただ、ドラマ全体の率直な感想としては、良くも悪くも辻仁成というか(共著はコン・ジヨン)、うんうん、これ辻さんぽいなーと思ってしまうくらいの色はあったので、この雰囲気が好きかどうかで好みの別れるドラマかも。

というのも、原作となる同名小説は2006年に出版されたもので、小説内でホンが日本に来るのは1997年の設定なんです。25年以上前の設定なんだね。ドラマ版ではホンが日本に来るのは2019年だったり、当時の日韓の歴史的背景による軋轢を削除したりと、大幅アレンジはされているものの、2人の関係性やセリフの根本にはこの時代の日本の雰囲気や価値観を感じたのも事実。そういう意味では時代の流れを感じるというか、やや引っかかる部分もあったので。

そもそも、このドラマを演出したムン・ヒョンソン監督が原作と出会ってドラマ化を決めたのは9年前なんだそう…。
うん、もっと早く見たかったかもw

あ、そうそう、重要なキャラクターとして「ぼのぼの」のダイねえちゃんとピッポさんが登場してて、「ぼのぼの懐かしい~!」って思ったんだけど、あれは原作にならって登場していたわけではなく、どうやらドラマ版オリジナルの演出みたい。2018年くらいに韓国でぼのぼの流行ってたらしいので、それで入れたのかな?公式さんもこんなツイートしてるよw↓

というわけで今日も感想を書いてみます。
ちょっと辛口になっちゃうかもしれないけど、時間があればお付き合いくださ~い。

「愛のあと」を語るという壮大なテーマ

タイトルの通り「愛のあとにくるもの、とは何なのか?」というのが多分このドラマのテーマになっていて、その答えはドラマの終盤で、潤吾の口からは語られているんだけど。

でも「愛のあとにくるもの、とは何なのか?」って、私にはかなり壮大なテーマに思えて。ストレートにそのテーマと向き合うには、同棲時代では若過ぎたし、5年という歳月は短すぎて、そこが「愛のあと」なのかどうかが分かりにくいように感じたかな。

momoruru

この続きはネタバレありますのでご注意を~

5年前の、初めての深い恋愛に依存し過ぎて破綻してしまう流れ自体も、きっと誰もが若い頃に経験したような見慣れた展開のようで、「愛」というより「ほろ苦い思い出」に近いような印象だったような。「愛」を想うほど、忘れられない特別な恋人…そう感じさせるくらいの描写がもっとあっても良かったんじゃないかなって。

別れてしまった原因も、例えば親からの猛烈な反対だとか、別れることを条件に取引したとか、或いは恋敵の介入とかではなくって(韓ドラ見過ぎて思考回路がドラマチックすぎw)、つまり本人以外の何かのせいで想いを残したまま仕方なく別れたわけでもなく、ただ本人たちの問題だったわけで。

愛していたのに別れなきゃいけないほどの、それを5年も引きずるほどの、後悔が残る別れ方だったのかもやや疑問だった。

そのせいか、私には、2人の愛が続いているというよりも、まだきちんと別れられていないだけなんじゃないか?って思えて。感情をぶつけ合って、もうダメなんだと納得してないから、時間が経っても先に進めないようにも見えた。

2人がよく口にする「後悔」という言葉も、幸せになれなかったことに対する後悔ではなくて、ちゃんと別れられなかったことに対する後悔のような。

だから2人は一度向き合わなきゃ、一度ちゃんと別れないと、って思いながら見てたので、韓国で潤吾と顔を合わるたびにその場から逃げ出して、自分の気持ちを隠そうとするホンがとてももどかしく感じちゃったよ。

潤吾、そーゆーとこやぞ。

ただ、潤吾に共感できたかといえば全くそんなことはなくてですね…w

このドラマはどうにもこうにも潤吾が理解できなかった~!

特に5年前のシーンで、ホンが別れを決めるまでの気持ちは十分に共感できたのよ。文化の違いに戸惑いながら、味方のいない外国で、潤吾だけを頼って暮らすのは十分しんどいし、家族のために進学を諦めるやるせなさや、家族の元に戻らなきゃいけない気持ちは痛いくらい分かる。

でも、ホンに対する潤吾の言い分は私的には完全にアウト。「仕事だったから」「遊んでたわけじゃない」と仕事が理由ならなんでも許されると思ってるのとか、「なんでそんなことも分かってくれないんだよ」的な根拠もない主張もイカンし、あと絶対謝らないのは超キツイ。

(というか潤吾くん、もしや私と同世代?w なんか私の世代の男性って「謝ったら死ぬ病気なのか?」って思うくらい、パートナーに謝れない人多い気がするんですけど~。ホンが言ってた「謝られるべき立場の私が悪者にされる」って分かりみが深すぎて私までイライラしたw)

極めつけは「言葉にしなくても、ほんとの気持ちは自然と伝わるものだから」とか言ってて。私はもう発狂寸前ww

潤吾~。そーゆーとこやぞ~。言わなきゃ分からないに決まってんじゃんか。恋愛に対するそういう姿勢って現代のヒロインは望んでないからね?と言いたくなったw

5年後の潤吾が「誤解があったんじゃないか」と繰り返し言ってたのも私的にはちょっと引っかかったしね。それ誤解じゃなく事実だから。誤解とか言ってる時点で現実見えてないでしょ~。

あとね、全て僕が悪かった、っていうのも状況によっては悲しい発言。「全て」って曖昧で無責任でもあるからね。潤吾は「全ての原因は僕にあった。結局彼女の寂しさを僕が埋めることができないことが問題だった」って言ってたけど、これ2人の恋愛だから、2人の問題なんだよね。ホンの気持ちを置き去りにしないで欲しかった~。(最後のシーンでホンが「ううん、私たちが悪かったの」ってちゃんと訂正してたけど)

って、スミマセン。なんか潤吾の悪口退会になっちゃってるような!?

でも、でも、潤吾には抜群に良いところがあって。
それは韓国滞在のたった5日間?くらいの限られた時間の中で、脅威の粘りを見せたところよ。ここまで粘れるのってもう奇跡だと思う。私なら空港で目をそらされた時点で速攻で心折れてるからね…(弱)

ホンから明らかに避けられてもまだ粘る、通訳さんにえ?この人ストーカーじゃね?って目で見られてもまだ粘る、「もうすぐ結婚するの」というパワーワードくらってもまだ粘る、池の周りで思いっきりシカトされてもまだ粘る、遂には、幸せになってねって正式にお別れしても、飛行機乗る直前まで池で粘ってるんだよ!!!

凄い!もし仮に、ホンに気持ちがなかったら、身の危険を感じて通報されたんじゃないか?ってくらいの脅威の粘りをみせて、遂には結果を出したところは、(なんか色々が紙一重ではあるけど)評価に値するとは思ったw

次は韓国で暮らすのもいいかも

潤吾が最後のインタビューで答えていた「愛のあとにくるものは、愛を理解するようになるということ」というセリフがこのドラマの核になっている部分かなと思っていて、しづ子さんがホンに言った言葉「どんな愛もそれ自体が幸せ」、そして潤吾の本に書いてあった「愛は愛そのものが幸せ」という言葉あたりが、このドラマの言いたかったことなんだと思う。

この結論には共感するものの、彼らが遂に到達したこの結論から導き出される答えが、ストーリーの結末にどう反映されているのかが、なんだかとても分かりにくいのよ。

この辺りも少し日本的に感じちゃったというか、大事なことをストレートに表現することの多い韓ドラとは違って、大事なことは曖昧にする(もしくは、曖昧なものほど大事である)みたいな感覚をじわりと感じたのでありました。

振り返ってみれば、ミンジュンにプロポーズされたときに潤吾のことが浮かんで、一人でいなきゃいけないと思ったと語ったホンが、花束を抱えて潤吾に会いに行く流れもよく分からなかったし…。遂に潤吾の本を読んだホンが、潤吾との別れを決意するという心境もいまひとつ掴み切れなかったなあ。ホン側の気持ちを綴ったコン・ジヨン版の原作「愛のあとにくるもの: 紅の記憶」を読めば少し分かるのかも。

かなり終盤まで、ホンの別れへの決意は固かったものの、結局はハッピーエンディング。エンディングでは井の頭公園の桜の下を走る未来の2人の映像だったけど、個人的にはホンと潤吾には韓国で暮らして欲しいと思ったなー。だって執筆活動ならどこでも出来るし(原作者の辻さんもフランスで書いてるよ)、また日本に来てホンに苦労してほしくはないから~!

というわけで、長々と書いたけど、なんだか辛口感想ばっかりになっちゃったかも…
もしかして私が辻さんの原作をあまりよく思ってないみたいのでは?と思われるかもしれないんだけど、わたくし実は辻さんのファンです!(急にw)いや実は本はあまり読んだことないんだけど(…ほ、本当にすみません)、辻さんね、ブログやってるの。私このブログもう何年も読んでて、このドラマ化の話も2022年くらいには知ってた~。

辻さんて某有名女優さんとの離婚後、フランスで父親と息子だけで暮らしてるんだけど(今はもう息子さん進学のため家を出ていて三四郎くんていう犬と暮らしてますが)、在仏のおしゃれな作家さんかと思いきや(?)一人称が「父ちゃん」だし、愛してやまない息子さんに向ける視線がめちゃくちゃ素敵なの。辻さんて、人を育てるべき人なんだと思う。父ちゃんの料理はいつもとんでもなく美味しそうだし、子育てに対する考えも学ぶこと多いし、なんとなく私にとっては先輩ママみたいな存在?w
気になる方はどうぞ~→→ JINSEI STORIES – Design Stories

日本と韓国は結構違う…?

ドラマの内容とは全然関係ないけど、今回すごく気になったのが、韓国と日本の景色の違い。(ちなみにですが、私かつて京王線沿線にも中央線沿線にも住んでて、井の頭公園も吉祥寺もよく行ってたので、このドラマの風景が懐かしかった!)

日本と韓国の景色って、同じアジアだし、旅行で訪れてもそこまで雰囲気は変わらない認識だったんだけど、こういう風に日本と韓国の映像が行ったり来たりするドラマを見ると、意外と全然違うんだなーという新たな発見があった。

まずね、桜のシーンの違いが特徴的だったかも。韓ドラでこれでもかってほど桜舞い散るシーン見てるけど(ロマンス系で春を越すなら必ず桜のシーン入るよねw)、なんとなく日本と韓国の桜はちょっと違う気がして、日本の桜の方が樹高が低くてギュギュっとしてて花の密度が高く見える気が…。

ちょこっと調べたら韓国国内の桜はほとんどがソメイヨシノなんだそう。同じ桜なんだから樹高は変わらないはずだし、もしかして剪定の差なのかなー?なんというか、日本の桜の方が低い枝が多めで、花が近いからそう見えるのかも。

あとね、桜の生えてる場所自体がね、日本の方が土や見えてたり下草が生えてる部分が広いというか、レジャーシート敷いてごろごろしたくなる感じは強いかもって思った。アスファルトとかで整備されてない、土や木が出てる部分が多いというのかな。

それって街中のシーンでも言えることで、日本の方が街路樹が多くて道幅も狭くてギュギュっと詰まってる感じするけど、韓国の方がきっちり舗装されてて道幅が広く見晴らしが良いイメージあるなあ。

今回のドラマは、井の頭公園周辺ていう東京の中でも特に緑が多いエリアだったし、韓ドラだとソウルばっかり出てくるので、場所によりけりだし単純に比較は難しいけどね。

ただ全般的に韓国の方が広々としてる印象はあるかも。道幅もそうだけどカフェとかも中が広いし、家なんかもでっかい家が多いような(ドラマだから?)。今回もホンの実家がでっかくて、扉がギゴゴゴォォ~みたいな優雅な門構えで、家の中もものすごい広かった~(日本の潤吾の実家は狭かったけど、京都のしづ子さんちは豪邸だったか)。

そして私がずっと気になってた「韓ドラでは1人暮らしでも絶対ダブルベッド説(そしてみんな片側半分しか使わない説)」はやはり確かなようで、ホンは実家の部屋でダブルベッドを半分だけ使ってたけど、日本の潤吾のアパートではセミダブルくらいの狭いベッドに2人で寝てて「やっぱベッドのサイズ感が違うよね~」って思った。日本人はギュギュッとしてるの好きなのかも?w

そうそう、ホンの髪に桜の花びらが付いたあのシーン、圧倒的な密度で桜が咲いてて驚いたんだけど、あのシーンは井の頭公園ではなく埼玉県の川越公園で撮ったみたい。すごく綺麗だったので、来年の春は川越公園行ってみようかなーと思ってるよ。

OST

ボーカル入りのOSTはたぶんこの一曲だけかな。「Closer than the Stars」

インスト曲はこの曲が一番ドラマのイメージ強かった。「Love Stands the Test of Time」

momoruru

てゆうか、たしかピッポさんってダイねえちゃんと結婚後に不倫してたような気がするんだけど、いいのかな??

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