「最愛の敵〜王たる宿命〜」の原題は「붉은 단심」で直訳すると「赤い丹心」なんだよね(丹心とは”まごころ”のこと)。全然ちが~う!けど、珍しく邦題の方が分かりやす~いww
作品情報
- 邦題:最愛の敵〜王たる宿命〜
- 原題:붉은 단심
- 英題:Bloody Heart
- 放送:2022年
- 話数:16話(1話約70分)
- 日本国内配信:Disney+(2022.10現在)
予告編
あらすじ
評価(momoruruが勝手に採点♪)
総合評価 86点
朝鮮時代の王宮を舞台に、愛と権力の狭間で揺れながら、生き残りを賭けた争いを繰り広げる男女のラブロマンスです!
権力奪還の機会を狙う傀儡の王、王を愛するからこそ正しい政を望む聡明な妃、理想の政治を実現するために全てを捧げる左議政、叶わぬ愛を貫こうとする大妃…、様々な立場の登場人物が自らの人生を賭けて熾烈な権力争いに身を投じていく様子が、美しい映像と共に描かれている壮観な時代劇w
感想
えっこれホラーかな?って思うくらい暗いんですけど…
「ビックマウス」見ようとしてたのに、チャン・ヒョクとカン・ハンナが出てる時代劇があるって知って…そしたらもうそっち見るしかないかな~っていう謎の義務感に駆られて(だって映画「純粋の時代」での絡みが忘れられないんだもんw)先にこっちを見ることにw
ちょうどほぼ同じ時期にこのドラマを見てた友達が第1話で脱落してて……超不安になりながら見始めたんだけどね。うーん、ちょっと分かるかも。だってこのドラマ、序盤からなんか暗いのよ~。まず男性主人公で王様役のイ・ジュンがキラキラ系じゃないの~(主役にはついキラキラを求めがちな私w)。表情も雰囲気もなんだか暗い…てゆうか、ここまで暗い主人公は見たことないかも。なんだかもう顔色まで悪いような気も!?
でも諦めないで!(www)暗過ぎて困惑するとは思うけど3話の終わりくらいで「まさかそういう作戦なの?!」ってだんだ面白くなってくるからw
登場人物全員が賢いドラマ
それぞれの思惑がようやくわかってきても、話はそんなに簡単じゃないのよね~。王、左議政、大妃、王妃、兵曹判書、それぞれが対立し、それぞれを疑い、時に取引をして、かなり話が複雑!!何よりね、登場人物全員が賢いから誰も悪手を打たないんだわ。だから策を企てても陥れるのは簡単じゃない!ここが他のドラマと一線を画してるところかも。
しかもこのドラマは見せ方が上手い。例えば、セリフを最後まで映さなかったりするのよ。質問だけして答えを聞かずに次のシーンに行っちゃっうから、一体何て答えたんだろうって想像しながら続きを見るしかないの。誰かと話してるシーンも相手の顔を隠してて誰なのか見せなかったりして。しっかり見ていても作戦が成功しているのかどうかすら全然わかんないの~!
5話あたりからはもはや敵の意図も分からなくなってきて、私の頭の中はもうめちゃくちゃにw仕舞いには主人公すら気持ちを隠してしまうので共感しようがなくて、もはや自分が何を願って見たらいいのか分からなってきたりも。だってこっちを助ければあっちが死んじゃうし、あっちを片付ければこっちが後からやってきて…どんだけ畳みかけてくんのよ~!
いやー権力争いって大変そうだね!!(他人事w)
みんな賢過ぎて策も手が込んでてるので、私の陳腐な予想など軽~く超えてくるのが鮮やかで面白かったよ!!時代劇の頭脳戦でここまで魅せられたのは初めてだわ。
こだわりの映像美は必見!
複雑な政戦で魅せてくれるこのドラマのもう一つの魅力は、映像がとっても美しいこと!全体的に暗めのトーンだけれど気品に満ちていて、華美ではなくシックな美しさ。衣装や装飾品、室内、花火や宴のシーンなんかもしっかり作り込まれてて、ただ金ピカなんじゃなくて格調の高さが分かる映像だったなあ。
寝殿も書庫も広くて内装が凝っていたし、王宮内の扉の組子障子とかめちゃくちゃ綺麗なのよ。わざわざこのためにセット作ったんだとしたらホント凄いと思う。大妃の部屋もすっごく絵になってた。
映像を邪魔しないようにか、音楽もクラシックなものが多くてカッコ良かった。あんまり歌詞が入らないから映像に集中できたしね。
それと衣装がね、時代劇にしては白が多いのよ。結構それが印象的で、王様が潜行するときなんて上下真っ白だし(もともと韓国では白が好まれていたという話もあるようですが)。だから逆に王宮内の豪華な衣装とのギャップがあって良かったかも。
あ、それから白い息を吐きながら冬場に撮影したと思われる韓ドラ時代劇を見てるといつも「真冬の韓服って寒そうだなあ~」って思ってたんだけど、このドラマは綿の入ったダウンみたいな韓服を着ててなんだかみんな暖かそうwもうみんなあれ着たらいいのにw
ずっと涙目の王様…
しかし主演のイ・ジュンは正直やっぱり渋かったような気がする。なんでこの人が主人公なんだろう?って思いながらずっと見てた。
でもこの役はキラキラ系な人じゃ合わないんだろうな~。抑圧されて生きてきた人間の卑屈な眼差しとか、何年もかけて虎視眈々と反撃の機会を狙っているしたたかさとか、そういうのを表現する役だもんな~。
うーん、しかしもうちょっとお肌が綺麗な人が良かった気もしないではない…だってこのドラマ、王様のアップのシーンがめっちゃ多いのよね(我儘でゴメンナサイ)。
そしてこの王様はもうとにかくずっと涙目なの。アップのシーンはほとんど涙目。しかも、わーわー泣くんじゃなくて涙が一粒つつ~って流れるだけっていう泣き方なの(しかも彼はなぜか左目だけ涙が出るのね。そんなことってある?イ・ジュンってすごい器用)。抑圧され続けるこの役を演じるのはメンタルが大変そうだった。
そういえばイ・ジュンって発声が独特な気がする~。言葉では上手く表現できないけど…歌舞伎みたいに声を揺らして喋っている感じって言うのかな。時代劇ぽい喋り方ではあるけど現代劇だとどう映るんだろう~?ほかの出演作も見てみようかな。
チャン・ヒョクの乗馬だけレベチw
そんなわけで主役のイ・ジュンにはいまいちハマれなかったんだけど、それはタイプじゃないからっていうよりも、やっぱチャン・ヒョクがイケメン過ぎて気持ちがそっちにw私、チャン・ヒョクの顔がかなり好きなもので、王様より左議政の方が断然カッコ良く見えちゃって困っちゃったわw
チャン・ヒョクが左議政の役を演じるのは初めて見たし、なんだか新鮮だったな~。もう年齢的に王子様役や主役を演じなくなっていくのかしら。「私の国」でも主役ではなかったし(だがどう考えても一番目立ってたけどねw)。
そしてこれ何度も言ってるけど、相変わらずチャン。ヒョクは圧倒的に乗馬が上手すぎるんだよ!!
このドラマでもチャン・ヒョクだけ乗馬シーン多すぎなんですけど~!w他の人は乗ってもちょこっとだけだし、馬の歩き方だって並足か速足くらいまでなんだけど、チャン・ヒョクの時だけ駆足っていうかもはやこれ襲歩だろ!ってくらいの勢いで爆走してたりもwwこんなスピードで走れる俳優さんこの人だけじゃないの~?弓の弾き方もやっぱ独特だし、この人やっぱり時代劇の神だわw
いっそジョンが統治したらいいんじゃないかとw
大好きなカン・ハンナが演じていたジョンはやっぱりつるっとしてて美しくて衣装も素敵だったので私は大満足!
ジョンは流石に賢過ぎるというか、愛よりも正しい国を作ることが大事(理想>>>>愛)って感じに思えてしまって、人間離れしたヒロインだった気がした。あちこちで策略を企てている男たちよりも、むしろ男らしかったし。てゆうかジョンが王になれば良い国になりそう~。でもさ、そもそも奥さんが政敵なんだとしたら、王様は安心して暮らせそうにないよねw(ジョンに飽きた数年後には側室のところへ通ってたりして…)
この続きはネタバレありますのでご注意を~
騙されて捨てられるチェ淑儀が可哀想だよ~
全体的にはまとまってたとは思うんだけど、私からちょっとだけ要望が(要望??というか疑問?)。
8話かな、ジョンが左議政を巻き添えにして罪をかぶって処罰を受けようとしたとき。
(1)左議政を陥れて長年の復讐を果たすために愛する女を捨てるのか?
(2)それとも愛する女を守ってこのまま左議政の支配下で甘んじるのか?
っていう究極の選択肢だったと思うんだけど、忘れちゃいけないのはあの夜って、王様は兵曹判書の娘チェ淑儀との初夜のはずだったのよね。(2)の愛する女を守る方を選んだ場合って、自分を信頼してついてきてくれた兵曹判書と娘チェ淑儀を裏切ることになるわけよね。
ここで全てを振り切って理想の国を実現させるために生きるんだっつってチェ淑儀を抱いたら「王様ってマジで漢(おとこ)だな!」って思ったんだけど…。
やっぱ抱かないんかーい!!w
まあそれだと純愛が成立しなくなるから…ドラマ的にはダメなんだろうけど。ゆうても、これ一夫多妻制が認められていた時代の側室だからね。側室を抱いたとて不貞ではないわけよ。
そもそも兵曹判書を外祖父にするって約束してたし、兵曹判書の娘も思いっきりたぶらかして妻に仕立てあげたのに、急に他の女との愛に走るのはいくらなんでも酷くない!?
あそこまで熾烈な政争を繰り広げたドラマだったのに、そこにはちょっと現実味がなかったというか「結局はロマンスドラマだったのね~」って思っちゃったなあ。
まあそんなことはありつつも、ほんとにねーこのドラマは映像が美しかったし、あまりにもみんなが賢くて展開が読めなくて、とにかく画面にくぎ付けになったのよね。若干私の知能の限界を超えてたみたいで(w)「え?何ソレどういうこと?」ってテレビに向かって話しかけまくったけども(こういう場合は深く考えない方が吉よw)。時間をかけてじっくり視聴したいタイプのドラマだったなw
1代だけの聖君を作るより、将来も維持できる体制を作った方が良くね?という根本的な疑問はある…