韓国ドラマ「哲仁王后」の作品情報・あらすじ・感想

て、てて、てつ、てつじん…おうごう…！？？？全く読めないタイトルですが、原題の「철인왕후」そのままで「チョルインワンフ」と読むみたい～（そりゃ分からんてw）。

友だちが大絶賛してたドラマで、私もず～っと見たかったので、huluの配信が決まったときには思わず「やった！」って声出ちゃったw

作品情報

• 邦題：哲仁王后
• 原題：철인왕후
• 英題：Mr. Queen
• 放送：2020年
• 話数：20話（1話約80分）
• 日本国内配信：Hulu（2023.8現在）

予告編

あらすじ

最年少で大統領官邸の料理長になったボンファン（チェ・ジニョク）は、人生を謳歌する自信家の男。しかし同僚の妬みを買って濡れ衣を着せられ、警察から逃走する途中でプールに転落。

薄れゆく意識の中でボンファンは見知らぬ韓服姿の女性とキスをする。

やがてボンファンが目を覚ますとそこは朝鮮時代の王宮だった。しかも彼の魂は、哲宗（キム・ジョンヒョン）との婚礼を明日に控えた王妃ソヨン（シン・ヘソン）の体に入っており…

俺様シェフが王妃になった！？最高視聴率17.4％の大ヒットを記録した笑いと涙のコメディ時代劇です。

評価（momoruruが勝手に採点♪）

感想

ちょ、待っwwこれラブコメではなくない？？？

このドラマ、友だちからラブコメって聞いてたし、私はラブコメが一番好きなのですっごい期待して見始めたのよ！そしたら…待って待って、これラブコメじゃなくね！？コメではあるけどラブといえるの～っ？？？

というのも英題が「Mr. Queen」…つまり、ヒロインである王妃が男性なの！！事前情報なしに見たからビックリしたわw

現代に生きる男性がプールに転落した拍子に、なぜか朝鮮王朝時代の王妃の体に入っちゃった！っていう、斬新過ぎる物語だった～。

前半では、不仲であった王と王妃（といっても魂は男性だよ）が徐々に親密になっていく様子が描かれていてコメディが強め、後半では、王と王妃が協力して過酷な政権争いを駆け抜けていくという少しシリアスな展開～。

魂だけ現代人の男性になっちゃった王妃の奇想天外な行動には、王宮のみんなが振り回されまくるんだけど、それでも徐々に共存（？w）していくところがすっごく面白かった！

いやしかし、これラブコメなのかな～？（まだ言うかw）
序盤では王と王妃と第2婦人（ファジン）のバトルが延々続くものの、これもねー、よくよく考えると男性2人と女性1人なのよ。しかも王と王妃の2人とも第2婦人が好きっていうまさかの三角関係。一体どうなればハッピーエンドなのよ～？って思って見てたわw

王が王妃に興味を持ち始め、やがて親密な関係になってからも、やっぱりなんか釈然とはしないというかwだって王妃って体は女だけど魂は男…あれ、もしかしてこれBLなの？w（いや別にそれはそれで全然嫌いじゃないけど）んんー、もうこうなったら人類愛だよ人類愛！性別越えていこう！って気持ち切り替えて視聴～w

（気になって調べたところ…そもそもこのドラマはラブコメではなくコメディ史劇とジャンル分けされてることも。私と友だちの勘違いかしらw）

完全におっさん化したシン・ヘソン

このドラマ最大の見どころは、やっぱりシン・ヘソンのおっさんみたいな演技だよ～！w王妃役なんだけど、魂は現代人の男性なので、行動も言動もずっとおっさんなの。あのおしとやかな顔で鼻ほじったりするし、下ネタ含めて無茶苦茶するもんだから、なかなかの衝撃映像だったよ～w

現代でも自分勝手なキャラだったせいもあって、彼には朝鮮時代に合わせていこうという気持ちが全くないんだわwほんとやりたい放題過ぎて、あの時代だったらすぐに斬り捨てられそうなものなんだけど、なにしろ体は王妃で権力者だから全て許されちゃうところが絶妙に面白いw（料理長だけは王妃の言う事をちっとも聞いてなかったけどw）

高貴な王妃様なのに移動は基本走ってるし、汚い言葉ばっかり使うし、綺麗なお姉さんたちと遊びたがるし、権力者の味方しかしないし、ほんと勝手な人…なんだけど、な、なぜか全然憎めない～！！そして無性に面白い～！！

これって多分、ただ王妃の中におっさんが入ったから笑えるって話じゃないんだよね。男性が入ったってだけでここまでユーモラスにはならない。この利己的で奔放なおっさんがたまに見せる正義感に親しみが沸いちゃうし、そんな彼（彼女？）の持つ底知れぬ行動力が面白さを増幅してる気がした～！

こんだけ面白い人なら現代でも相当な人気者になりそう？って思ったけど…現代の描写だと一流シェフではあるものの、どっちかって言えばナルシストの嫌われキャラ！？現代には合わなかったのかな？w

ところで、彼の気持ちを歌った挿入歌「봉환아（ボンファナ）」（彼の名前はボンファンと言います）が結構流れるんだけど、懐かしめなノリノリのロックテイストが時代劇に合わな過ぎて濃いんだわ～w基本的にこのドラマ、コメディ路線の懐メロテイストが多め。（音楽的には正直好きじゃないけども）とにかくこの濃いめのノリでゴリゴリ押していくタイプのブルドーザー型ドラマだった気がするw

そうそう、元が料理人だけに料理のシーンも結構あって、当時の食材を使って現代の料理を作り出してみんなをアッと言わすってのが王妃の一芸になってて面白かったんだけど、中盤以降は暇になると調理場に来てだべるようになってて…なんか調理場が部室みたいな感じですごい楽しそうだったw

しゃくり上げながら喋る演技が上手すぎww

シン・ヘソンのアグレッシブな演技がその他の全キャストを圧倒していたので（w）影に隠れがちではあったものの、王様役のキム・ジョンヒョンも良かったのよ～。「愛の不時着」で私もすっかりハマったキム・ジョンヒョンですが、「愛の不時着」の詐欺師っぽいスンジュン役とは全く違ってて、包容力のある穏やかな王様で素敵（焦ってる時でもゆっくり喋る人好き～w）。

前半では二つの顔を持つ王様だったし、後半ではラブコメ演技もあったりして、なかなか色んな表情があったし。この人は役になりきっているというか、没入感のある演技で好きだなあ～。

個人的にはチェ尚宮を演じてたチャ・チョンファがめちゃくちゃ面白くて何度も笑ったよ～wストレス発散のためにオトナの万華鏡（？w）を覗いてるのにも笑ったけど、特にしゃくり上げながら喋るフリするのはホント神演技！wwどうしてそんなに上手いんだw

ただちょっとだけ難を言わせていただければ…主演以外のキャストの演技には物足りなさを感じてしまったかも～。悪役の重臣や大王大妃、大妃はやや迫力に欠けて正直そこまで怖くなかったし、若い武将たちにもイケメン少なめであんまり特徴がないので見た目の区別が難しかったりも…。（イ・ジェウォンの演技は結構好きだったけど…てゆうか将来オ・ジョンセになりそうな見た目w）

このドラマでの注目のキャストは、やっぱり王妃の従兄弟ビョンイン役だったナ・イヌだと思うんだけどね。身長あるし超イケメンだけど、この役は共感しにくい難しい役だったし（詳しくは後述します…）表情のレパートリーが少ないのもあって、あまり魅力的には映らなかったのが残念だったかなあ。（あ、今朝ちょうど「2022Asia Artist Awards IN JAPAN」見たんだけど、俳優部門エモーティブ賞受賞おめでとうございます！「ジンクスの恋人」も見てみたいw）

それから、王妃の体の中に入っちゃった現代男性ボンファン役のチェ・ジュニョクは、最初と最後の出演のみであとはほぼ声だけの演技なんだけど、声の演技は正直「？？？」って感じがして…なんでチェ・ジュニョクなんだ？って疑問が残ったりも…。

でもまあ結局はシン・ヘソンの独り勝ちなドラマな気がするので、全体的に問題ないといえばそうなんだけどね…。

思考回路がストーカーなんだってば…

ところで私、王妃とその従兄弟ビョンインの過去のキスシーンを見て、てっきり過去にはお互いにそういう気持ちがあったのかなって思ってたのよ。だってビョンインが、王妃の将来ために自分は諦めたのに～って雰囲気を醸し出してたじゃんか。

けど後半になってようやく回想シーンが出てきて、キスした当時から王妃はビョンインに対してそんな気はなかったみたいで…（従兄弟としては好き、くらい？）。えええ～。それなのに「俺は全部分かってる」「俺が守る」って、もう「俺の女だ」くらいの感覚でグイグイ行っちゃうビョンインくんって…ええと、正直怖くなっちゃったんだがwそれって完全にストーカー的な発想だよ～。

てゆうかさ、小さい頃から一緒に育ったのに、突然完全に人格が変わっちゃった王妃を見ても何も思わないなんてさすがにおまぬけが過ぎますってば～。ビョンインの最期のシーンで「どうして気付けなかったんだろう」って言ってて、画面越しに「ホントそれ～！」って叫んだわw（そういえば弟くんも超鈍感だったからそういう家系なのかなー？）

めちゃくちゃイケメンだったけど、正直どこにも共感はできない役であった…。

エンディングにはちょっと不満あり（スミマセン、個人の感想です…）

権力争いの部分には正直よくわからないところもあった気がしていて。前半では延々と重箱の隅をつついてお互いに攻撃を仕掛けるものの何も決定打にはならなかったのに、後半になったら急に、爆発に絡めて重臣を流罪にしたり（決定的な証拠あったっけ？）、簡単に王様を外に連れ出して殺そうとしたり、前半に比べて展開が過激というかちょっと雑かな～って気もしたり。でもまあこれサスペンス史劇じゃないので許容範囲な気がするけどね。

だけどそれよりもね、私がこのドラマに感じた最大の違和感はこのドラマの終わり方だったかも～！

王にとって王妃って、他の誰とも似ていない奇想天外な女だったから惹かれていったわけで、だからこそあんなに好きになったわけじゃんかー。なのにボンファンの魂が現代に帰っちゃって、王妃が元のキム・ソヨンに戻っちゃうと、見た目は一緒でも中身はもはや別人で普通の王妃様になるわけで。それだと王の愛もやがて醒めていくんじゃないの～？って思っちゃったから…。

若い後宮が既に3人も控えてるから王はそれでも大丈夫だろうけどさ～。王妃は王のことを本気で好きだったっぽいから、王妃にとってこの先は結構な鬱展開になるんじゃ…？？？

…という微妙な気持ちで見終わったところが私にとっては残念だったかも！コメディ史劇なら最後まで笑って終わらせて欲しかった～っ！！

そうそう、ドラマの中で暗行御史の話をしてたから…キム・ミョンス（エル）主演の「暗行御史」も見てみたくなった～！