ずっと見たかった「建築学概論」!プライムビデオに復活してたので見てみたよ。
韓国で大ヒットした映画とは聞いてたけど、私的にもクリーンヒットでした~w
作品情報
- 邦題:建築学概論
- 原題:건축학개론
- 英題:Architecture 101
- 公開:2012年
- 上映時間:117分
- 日本国内配信:Amazon prime video・U-NEXT(2022.10現在)

予告編
あらすじ
評価(momoruruが勝手に採点♪)

総合評価 92点
大学時代の甘くて切ない初恋の記憶を辿りながら、15年後の2人の現実を描き出していく素敵なラブストーリー!
男性側と女性側、どちらの視点で見るかによって感じ方も変わってくる気がした映画だった~。ちなみに私は女性(ソヨン)目線で見てたけれど、ラストはとても穏やかな気持ちで見終わりました~w
感想
スンミンとソヨン、どちらの目線で見るか?
この映画って評価が別れるんじゃないかな?って気がしたのよね。男性目線で見るか女性目線で見るかによって感じ方も変わりそうな気がする。
この映画のテーマは「忘れられない初恋の、甘く切ない思い出」なんだろうって感じたし、誰もが自分の初恋を投影して胸が熱くなる映画なんだろうなとは思うのよ。
ただ男性であるスンミン目線ではたしかにそうなんだけど…、でも、私は自分が女性だからというのもあってかソヨン目線で見てしまって、「甘く切ない思い出」を振り返るためだけのストーリーとは思えない部分も結構あったなあ。


この続きはネタバレありますのでご注意を~
ソヨンにとっては過去の話ではないのかも
「甘く切ない思い出」を振り返るだけとは思えなかった理由はね、学生時代ソヨンは、ある日突然連絡が取れなくなったスンミンに会いに行って一方的に「もう連絡しないで」と言われ、理由を聞いても「別に」と言われ、挙句の果てに「もう消えてくれる?」とまで言われてるんだよね。
スンミン側からするとね、先輩に部屋に連れ込まれたソヨンを目撃しちゃって、スンミンとしては深く傷ついたんだろうけど、でもそれってスンミンにしか分からなくない?本人の中ではちゃんと理屈があっても、そこを説明せずに結果だけを相手に押し付けるなんて間違ってない?とソヨン目線では思うわけですよ~。
そもそもスンミンには傷つくことを回避できるチャンスもあったのよ。あの場で先輩に「なに連れ込もうとしてんすか?」って真っ向勝負してもいいし、それが怖いんだったら適当に理由付けてテヘペロってピンポンしちゃうとか出来たわけじゃん?それを…スンミンは無視して逃げたのに…(ソヨンは助けて欲しかったかもしれないじゃん!?)
それなのに一方的に突然拒絶するって…。ソヨンは理由も分からないまますごく傷付いたはず…。
そんな無茶苦茶な別れ方をしたのに、15年後にソヨンはスンミンに家を建ててもらいに来るわけよ。それってソヨンが「甘く切ない初恋」を思い返すためだったわけじゃ多分なくって、スンミンが今どうしているか?そしてあの時はどうしてあんなことになったのか?ずっと気になっていたからなんじゃないかな。あの時は本当にスンミンのことが好きだったから。
だからスンミンにとっては「甘く切ない初恋→傷心(あのクソ女)→突然の再会!」っていう綺麗な流れがしっくり来るなんだけど、ソヨンにとっては「甘く切ない初恋出→え?なにが起きたの??????(今もずっとココ)」なんじゃないのかなと私は思っちゃったのだ。

エンディングをどう解釈するか
それを踏まえて考えると、全ては語らずに終わったエンディングの見方も変わってくるような気がしてて…
ソヨン目線では、でもこれはあくまで、過去の恋愛を確認したかったお話。どうしても理解できなかった過去は美しい思い出に塗り替えられて、窓辺で海を見ながら懐かしいCDを聞くソヨンの表情はとても穏やかだった…。過去を清算して新しい人生を歩みだす物語に思えてくる。
スンミン目線では、ひどく傷付いた初恋の思い出が予期せぬ瞬間に掘り返され、あの時の自分が愛されていたのだと慰められたお話。けれど、かけ違えたボタンを直した後に、再び元の自分に戻れるのか?アメリカに向かう飛行機の中でのうつろな目線に微かな疑念を感じてみたり。
なーんて思って見ちゃったよ~。
どの道を進んでも誰を選んでも、完璧な幸せなんてないわけで、結局はいつかの自分が手に取ったものに対して誠実に向き合って生きていくしかないんだろうけどね。

大学時代のシーンは必見!
ところでこの映画、回想シーンのスジとイ・ジェフンがすごく良かったのよ!
子供でも大人でもない頃のぎこちない恋愛が丁寧に描かれていて、爽やかなのにどこか切なくてグッとくるー!初々しくて余裕がなくて苦しい気持ちとか、たった一度の誤解で跡形もなく崩れ去ってしまう脆さの描写がリアルだった。
この映画のスジは、さすがは「国民の初恋」って感じで、可愛いんだけどまだ洗練されてない雰囲気とか、子供っぽい強気さとかが、もうねホント理想の初恋相手なんじゃない?!服もメイクも喋り方もまさに「コレ!」って感じの役だった。イ・ジェフンも真面目な発言がめちゃくちゃ似合うし、服装とかイケてないけど嫌じゃないっていう絶妙な雰囲気。

それに加えて大学時代のスンミンの友達役で出てたチョ・ジョンソクがまた良い味を出しててw「そんなのがキスか?」って言ってスンミンにキスの説明をするくだりなんて、1人で勝手に興奮して暴れて「あー疲れた」とか言ってて、私は見ながら笑い転げてたよwなんとなく的を得ているようで的外れなアドバイスとか、オーバーサイズの服装とか、たばこの吸い方とか、面白すぎるよチョ・ジョンソクw

それからちょっとキモかった(w)ジェウク先輩を演じてたのは、私が「ミスター・サンシャイン」でどハマリしたユ・ヨンソクなんだけど、ク・ドンメ役と雰囲気が違いすぎて最後まで全く気が付かず!素顔だと分からなかった~!そういえばジェウク先輩の乗ってた車が絶妙にイケてないところも妙にリアルだったな。

考えてみると回想シーンに出てくる全ての人が「なんかこういう人、私の周りにもいたよなあ」って気がする人たちなんだよね。自分の過去の記憶と重なるっていうか。そういうリアリティが見ている人の心をくすぐるのかも。
ソヨンが突然泣き出すシーンが印象的だった~
私はこの映画、初恋を巡るあれこれよりも、むしろソヨンの現在に想いを馳せて見てたんだよね。だから一番印象的だったシーンは、済州島に泊ることになってしまった2人がお酒を飲んだ後、ソヨンが急に泣きだす場面。私はここにすごく共感しちゃった。
手放しで夢を語り合えた学生時代は瞬く間に終わり、就職が上手くいかなかったソヨンは夢を諦めて結婚の道を選んだのよね。だけど、結婚相手とは上手くいかなかった。別居を長引かせた挙句に離婚。そして1人になったソヨンに迫るのは父親の介護…。
順風満帆ではないけれど自分で選んだ人生だから、ソヨンは自分の人生に責任を持つつもりだったはず。だから簡単に自分の身の上を話したりはしなかったし、離婚の慰謝料を父の家を建設費用に充てた。
だけど、本当はずっと居た堪れない気持ちを押し殺してたんだろうなって。だからこそ、ふと緊張が解けた瞬間に感情が溢れて出てしまったんじゃないかなって。私はこのシーンがそういう風に見えてしまって思わずもらい泣きしちゃったよ~!

ソヨンは一見、何を考えているのか分からないタイプに見えるけど、そこにしっかりと意志や感情が見えてくると共感できるポイントがとても多かった。エンディングで済州島の豊かな自然の中でひっそりと暮らすソヨンを見て、私も穏やかな気持ちになれたよ~!個人的にはかなりおすすめの映画かもw

SONYのCDウォークマン(Diskmanだね)がめっちゃ懐かしかった!
