韓国ドラマ「このエリアのクレイジーX」の作品情報・あらすじ・感想

仕事で急に勉強しなきゃいけないことができて、毎日必死にテキストを読んでいる私です。脳が退化してるのか全然頭に入ってこないワ~。そして勉強の合間にはジュノ主演の「自白」を見てるところ。

そうそう、先月の「LoveYourW 2024」で隣同士だったヒョンシクとボヨンちゃんの様子が可愛かったので紹介w ボヨンちゃんとは「君の結婚式」つながりのヨングァンも来てて楽しそう。

目次

作品情報

  • 邦題:このエリアのクレイジーX
  • 原題:이 구역의 미친X
  • 英題:Mad for Each Other
  • 放送:2021年
  • 話数:13話(1話約35分)
  • 日本国内配信:Netflix(2024.10現在)

予告編

あらすじ

ある雨の日、フィオ(チョン・ウ)は憤怒調節障害の治療のため精神科へ向かうが、診察でもイライラが止まらない。その理由は、診察へ来る途中でも彼を苛立たせることばかりが起こるからだ。

ミンギョン(オ・ヨンソ)もまた強迫性障害のため同じ精神科に通っているが、病院に向かう途中におかしな男に出会う。彼はミンギョンを尾行し、病院のエレベーターに同乗してきたので、傘を振り回してなんとか追い払ったが、その男は通院のために病院へやって来ただけのフィオだった。

帰宅中のミンギョンは、自宅近くのコンビニでもフィオを見つけ、慌てて家路を急ぐ。恐ろしい表情でミンギョンの玄関まで付いて来たように思えたフィオは、便意を我慢していただけの隣の部屋の住人だったのだ…

怒りをコントロールできない男と、彼の怒りを誘発する女。関わりたくないのになぜかいつも顔を合わせてしまうお隣同士の一風変わったコメディ&ロマンスです。

評価(momoruruが勝手に採点♪)

momoruru

総合評価 89点

大声が苦手な人は要注意!?慣れるまでかなりうるさかった~。
序盤がしんどすぎて一回脱落してたんだけど、3話まで観ればそこには素敵な世界が広がってるので、きっと観て良かったと思うはず。
とにかく脚本と演出が良い!生きづらさを抱える主人公と隣人たちとの交流を通じて、温かな励ましをもらえるドラマだった。
13話各35分と短めなので、序盤さえ超えれば見やすいはずw

感想

地獄の第1話w

ボラ!デボラ」と脚本と監督が同じと知ってから、ずっと気になってたこのドラマ。
実はだいぶ前に一度挑戦してたんだけど序盤で脱落しちゃってて2度目で完走~。

てゆうかこのドラマね、すっごく良かったんだけど、なにしろ1話目がひどいのよw
ひどいっていうか、なかなかハードル高いからホント気を付けて。

どんなお話かっていうと、男性主人公フィオは、憤怒調節障害があって怒りのコントロールが苦手。納得いかないことがあるとすぐ怒鳴るし暴れるしで、とにかくうるさい人物。一方、女性主人公のミンギョンは強迫性障害なんだけど、総合失調症の症状も出ているようで被害妄想が起きやすく、パニックを起こしやすい。

そんな2人が1話目から出会ってトラブルになって大騒ぎになって、挙句の果てにフィオがお腹痛くなっちゃってギリギリ家のトイレに間に合うかと思いきや、親からヤンヤ言われて最終的に漏らしちゃうのよ。しかも汚したズボンをお母さんが手洗いしてくれて「息子は寂し過ぎてウ〇コを漏らしたのよ」とか言われるという…なのこの地獄絵図w

おじさんの便意から始まるドラマって…こんなの初めてww これ見るのなかなか勇気いるんですけども(1回目はここで脱落しました)。

でも、実はその先がとっても良い話で、うるさくて汚ないおじさんだなーと思ってたフィオが、なんとだんだんイケメンに見えてくる魔法にかかるはずなので(保証はしませんがw)、ぜひ!勇気を出してその先を見て欲しいドラマだよ~。

(日本版の予告編はイメージ映像だけなので、韓国版の予告編の方がドラマの雰囲気が伝わるかも↓)

誰もが愛されるべき隣人

このドラマ、やっぱり脚本と演出が良かった!

主人公たちの過去と現在について、精神科医との診察とか、近所の住民や家族、元同僚たちとの会話を通じて、明かされていくんだけど、これって、無職で肩書のない主人公たちが自分語りをするよりもずっと説得力のある描き方なんだよね。だからより客観的に、彼らの怒りや悲しみに寄り添えるように演出されていて、3話くらい見れば、最初の嫌悪感なんて吹き飛んでることに気付くはず!

そんな主人公たちを演出していく共演者は重要な存在なんだけど、それだけにキャスティングはかなり手堅い。アパートの婦人会長に「スノードロップ」のペク・ジウォン、フィオの母役は「バッド・アンド・クレイジー」のカン・エシム、ミンギョンの母役は「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」のキル・ヘヨン、フィオの元上司の刑事役で「タッカンジョン」のチョン・スンギル、ミンギョンのDV元カレ役は「財閥家の末息子」のキム・ナムヒまで!ドラマでよく見かけるベテラン俳優さんがぞろぞろ~っと。

ちなみに実は私、主演のお2人(「応答せよ1994」のチャン・ウと、「花遊記」のオ・ヨンソ)はこのドラマで初めましてだったんだけど、2人ともめちゃくちゃ上手い。この役を理解してる安定感のある演技だったので、ストーリーにすんなり集中できた。

このドラマの一番好きなところは、一見普通に見える隣人たちもそれぞれが心に色んな問題を抱えているってことが描かれていくところ。

momoruru

この続きはネタバレありますのでご注意を~

きちんと社会生活を送っているように見えた隣人たちも、過度なおせっかいだったり、アルコール依存症気味だったり、アンチコメントを書き込んでたり、女装家だったりと、あらゆる意味で普通の人なんていなくって。主人公たちが「むしろ私たちが正常で、みんながおかしいんじゃない?」って疑問を持つのにも納得しちゃう。

そして主人公たちも隣人たちも含めて、みんなが愛すべき部分を持っていることを描いているのが更に良い。上手くいかないことはあるし、喧嘩することもあるけど、困った時には手を差し伸べながら、誰もが誰かとつながりを持って生きているのが凄く良かった!

程度の差こそあれど、誰もが自分の中にクレイジーな自分を抱えて生きている。でも、あなたもそれでいいんだよって言われてるような、それでも愛されるべき存在なんだよって励まされるような、そんなメッセ―ジを感じる温かいドラマだった。

いかなる暴力も暴力でしかない

もう一つ、このドラマで描かれていたのは「暴力性」の否定なんじゃないかな。

刑事だったフィオは、麻薬捜査中に犯人から刺された後輩を見てカッとなり、犯人に暴行したことで停職処分中。

ミンギョンは彼氏が既婚者だと知って別れを切り出したところ、彼からデートDVに遭って大怪我をして裁判中。

2人とも暴力と強く関わっているんだけど、一見すると、この2つの暴力は別なもののように見えるんだよね。

だってフィオの暴力はたしかに行き過ぎてはいたけど後輩を守るためでもあったし、私欲のためにミンギョンを殴った元カレのそれとは違うように思えたから。誰かを想っての暴力と、誰かを傷つけるための暴力とは違うんじゃないかと。

でも、ミンギョンの元カレをフィオが殴ったとき、ミンギョンは絶対にそれを許さなかった。フィオは最初から殴るつもりじゃなかったし、警察に突き出そうとしたところで、動画のことでミンギョンを侮辱されたから耐えきれずに殴ったんだけど、ミンギョンはフィオの弁解も聞かない。それどころか「あいつと何が違うの?」とフィオを責める。

一瞬フィオが可哀想にも映るんだけど、でも多分このシーンが表現してるのはそういうことじゃなく、「暴力はいかなる場合も同じ暴力でしかない」ということなんだと思う。

フィオが殴ったシーンで、元カレが無抵抗だった演出にも意味があると思うんだけど、要するに全ての暴力は、意見の違う相手を力によって支配し、自分の主張を通すためだけの、独りよがりで残虐な行為なんだって。

その危険性を理解できない限りフィオは何度でも間違いを犯すし、仕方なかったと言い訳をしながら今後も暴力をふるうだろう…ってことをミンギョンは恐れたんだと思う。

私にはこの部分がかなり刺さりました~。

普通の恋愛が微笑ましくてイイ!

2人のロマンスはなんだかちょっと面白くって。フィオのことを好きになっていくミンギョン視線では、フィオがどんどん素敵に見えてきちゃうんだけど、天下のウォンビン様までもがフィオに見えてきちゃうのも笑ったし、玄関先にやって来たフィオのアップになるとなぜか「霧の中!?」みたいに紗がかかってて、顔が良く見えないのも笑っちゃったw

そうそう、寝てるミンギョンにこっそりキスしようとしたフィオが、ミンギョンから「何しようとしてたの?」って聞かれるシーンがあるんだけど、ここもなんか独特。韓ドラのイケメン主人公ならそのままキスする流れのはずなのに、このおじさん主人公は「え?何もしてないけど?」って何度も頑なに否定するのが可笑しくて。

でもたしかにそうだよね~。あれってイケメンだから強引でも許されるだけで、一般人なんてこんなもんだわ。その後のラブシーンで服を脱ぐ様子も、全然ドラマチックに演出されてなくて、大焦りからの苦笑い~。なんかそこがまた微笑ましくて良かった。

というわけで、便意おじさんから始まった衝撃の第1話だったけど、最後まで見て良かったなって思える良質なドラマだったよ。

終盤では突然フィオの愛車がカマロになってて(地味目なSUV乗ってたはずなのに、修理の代車がカマロなわけある?)、テオのBMVとのカーアクションがおっぱじまったり、エンディングでは指名手配犯(凶悪犯だろ)を捕まえたままキスして終わるとかいうとんでもないカットをぶっこんできたりもしたけど…ま、なにはともあれ、面白くて温まるドラマだった!

OST

まずは、Martin Smithの「HAPPY ANDING」から。

続いてはHYUNKIの歌う「너와 마주친 순간(The moment I met you)」です。

ドラマの中で謎のマルチコンビニアルバイターを演じてたのは、楽童ミュージシャン(AKMU)のイ・スヒョン。たまたまYouTubeで見つけて聞いていた、彼女の最近の動画が素敵だったのでついでに紹介。映画「グレイテスト・ショーマン」の曲のカバーなんだけど、歌詞も泣けるのよ。デュエットしてるのはEXOのディオ様!ディオ様の歌い方かっけ~!

momoruru

ミンギョンのお母さんが、ミンギョン同様に容姿を褒められることに極端に弱いことを見抜いたフィオ。あの時ちょっとニヤってしてたの面白かったw

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