「シカゴ・タイプライター」を紹介してくれたユ・アイン好きの友だちからオススメされたこのドラマ。
現在、ユ・アインは麻薬類管理法違反の捜査を受けていて、とても大変な状況なので…
このタイミングでユ・アイン作品の感想を書くべきか迷ったんだけど、過去の作品に罪はないと思うので公開します!
警察出頭後のインタビューも見たんだけど…彼のこんな姿を見る日が来るなんてなあ。やっぱりショックだし、とても残念。公開予定だった映画2本、ドラマ1本は公開保留とのことです…。
作品情報
- 邦題:密会
- 原題:밀회
- 英題:Secret Love Affair
- 放送:2014年
- 話数:16話(1話約60分)
- 日本国内配信:U-NEXT(2023.8現在)
予告編
あらすじ
引用元:BSフジ
評価(momoruruが勝手に採点♪)
総合評価 88点
才能溢れる20歳の青年と上流階級の人妻が、音楽を通して狂おしく惹かれ合う禁断の愛を描いたドラマ。
密会…不倫…財閥…ドロドロ要素満載なのに、描かれていたのは美しい音楽と切なくてピュアなラブロマンスだったよ~。
音楽が効果的に使われていて想像力を掻き立てられるような描写が多いので、ハマる人はがっつりハマるドラマだと思う!
感想
そんな顔でピアノ弾きます!?
(さてさて。気持ちを切り替えて感想を紹介していくぞー!)
これほんとに2014年のドラマなの!?もっと前じゃないの~?って思ったくらい…しょっぱなからなかなか見るのに勇気がいるタイプの超絶ドロドロドラマ!
金持ち奥様たちの嫉妬と権力争いがすごいんだわ。継母が娘の顔を便器に突っ込んでたりしてるし。ヒィィ~やめてくれ~これだから上流階級は怖いんだってば~。
陰湿だし、恐ろしいし、テーマも思いっきり「不倫」だし、私は相当ビビりつつ、なんなら怖いもの見たさで見始めたのだったw
まずなんといっても強烈なのはね、最初っからユ・アインがエロ過ぎるんだよー!セクシーというより圧倒的にエロイ!!(しかもなぜか女性経験が無いっていうピュアキャラでおどおどしてるから、カッコイイと言うよりギリギリ気持ち悪いような気も!?)
ユ・アインとキム・ヒエがピアノを連弾してるだけのシーンでも、2人ともピアノを弾いてる顔じゃないんだってばー!!(むしろ曲の解釈はこれでいいのかw)
これ見ちゃうと「ブラームスは好きですか?」で同じような天才ピアニスト役を演じてたキム・ミンジェの表情が、なんとまあ純真だったかってこと今更思い知ったりもw(実際の心の中は知らんけどもwキム・ミンジェの表情が気になる方は下のティーザーで見てね↓)
このドラマは音楽が凄い!
うーん、やっぱりこのドラマってエロス押しなのかな~?芸術はエロスなのか~?なんて、初めはそんな感想しかなかったんだけど。
だがしか~し。
ストーリーが進んでいくにつれて、「あれ?なんかこれ?物凄く音楽ドラマなんじゃない!?」ってことにようやく私は気が付いた~!
まずね、なんといっても選曲が素晴らしい!
セリフよりも音楽で主人公たちの感情を表していくような撮り方なんだけど、その場面ごとに「まさにこの曲だわ」っていう曲が入ってくる。それがこのドラマの繊細で重い雰囲気とも相まって、登場人物たちの感情がすごく伝わってくるんだよ~!
ユ・アインが天才ピアニスト役なのでピアノの演奏シーンかなり多いけど、それがまるで彼のセリフのようで、クラシックなのに全く退屈じゃなかった!(あ、クラシックが退屈ってわけじゃないんだけどwついwスミマセン…)
しかもその演奏シーンが、これまた凄い!
普通こういうドラマって俳優さんが演奏している手元は映さないってのは定石のはずなのに、このドラマは結構手元を映しちゃうの。しかも後半になるにつれて、なぜかどんどん手元を映していくスタイル!(なんで!?)
そこで映るユ・アインの指が、しっかり動いてるんだよ~!!
さすがは天才肌のユ・アイン~!期待は決して裏切らなかったわ。曲に合わせて動くべき指がちゃんと動いてるの!(もちろん音は別撮りのはず。俳優にこんなん弾かれた日にはプロの演奏家が泣くよ…)
音出さないで指だけ合わせるのならそんなの簡単じゃない?って思われるかもしれないけど、簡単な曲ならともかく、こういう難易度の曲はさすがに難しいはず。しかも結構な曲数あるからね。私一応ピアノ10年やってたけど、正直これやりたくないもんwしかも表情の演技もしなきゃだし。
ほんと、ユ・アインどんだけ特訓したんだろ~。さすがにもともと多少はピアノ弾けたんでしょ?って思って調べてみたら、なんとこのドラマで初めてピアノ弾いたんだって。
なーにぃぃ~?天才はそういうこと平気でしちゃうんだよなぁ~w
選曲といい、演奏シーンといい、このドラマの音楽への力の入れ方はちょっと普通じゃない。ユ・アインも普通じゃないけど、制作側もちょっとオカシイんじゃね?(w)ってくらいこのドラマは音楽が凄いです~。(感想の最後に、私が気に入った曲を少し紹介していますので良かったら聴いてみてねw)
まさかの純愛ラブストーリー
強欲な金持ちたちによる権力争いのドロ沼の中でも、天才ピアニスト・ソンジュが演奏するクラシックの名曲が力強く響いていて、このドラマの雰囲気は一種のカオス~!
この流れの中で自然と始まった主人公たちの不倫は、意外にも純愛だったの。
ソンジュもヘウォンも、「いつの間に?」っていうくらい急激に恋に落ちるんだけど、そこに音楽の描写が効いていて「芸術家だけが通じ合える愛の世界」ってまとめていたのが良かったと思う。
容姿や人間性に惹かれてるだけじゃないから、むしろ必然でピュアな愛に映ったし。正直「不倫」っていう背徳感はあまり感じなかったなあ。
「密会」というタイトルやポスターの雰囲気はセクシーなイメージが強いけど、実際にはそういうタイプのドラマではなかったと思うんだよね。
この続きはネタバレありますのでご注意を~
(ある意味)衝撃のベッドシーン
このドラマは2人の愛情の見せ方もちょっと変わっていて。
甘いセリフやベッドシーンの映像で2人の愛情を見せるんじゃなくて、見ている人の想像を掻き立てることで2人の関係性をより深く描いていくタイプの演出だったような気がした。
というのもね、2人が一緒にいられる時間は限られているから、2人の会話もそう多くはないのよ。その分、ソンジュやヘウォンの言葉ひとつひとつに意味を持たせていたり、感情の変化を音楽や表情で繊細に表現していたりして、見ている人の想像力の中で完成させていくドラマだと思った。
だってね、ビックリしたんだけど、最初のベッドシーンは、なんと声だけなのよ~!(これ物議を醸すシーンだよね?)
「え!?なになにこれどういうこと??今なんつった?」って見ててかなり焦ったしww
でも改めて考えてみると、彼らがその時どんな表情をしていたのかを実際に見るよりも、それを想像する方が奥深いし膨らむんだよね。
ここまでの代償は必要だったの…?
仮に2人の愛が崇高なものだったとしても、それでもやっぱり不倫は不倫だから、普通のハッピーエンドはないんだろうな~って思ってはいたけどさ…
でもこんなに厳しい制裁は下さないで欲しかったよ~。
ヘウォンが懲役10年って~!
不貞への対価も含まれた設定なんだろうけど、これはいくらなんでも長すぎない?
ヘウォンは上の命令に従って動いていただけなのに…
。
ヘウォンがあまりにも不憫に思えてきちゃって…
ヘウォンって今までずっと、誰からも愛されてなかったじゃん。他の誰にとっても、彼女はのし上るための道具でしかなかったし、夫のカン教授ですらヘウォンのことを自分の地位を守る人間としか見ていなかったのよ。
完璧な女性ヘウォンが初めて「不倫」という弱みを見せた途端に、周りのみんなが躍起になって証拠を押さえて、彼女を上手く使おうと追いかけまわしてるのを見た時は本当にうんざりした!警察に捕まりそうになったら、ヘウォンに全て罪を着せて逃げようとするなんて、汚い奴らめ~っ。
ヘウォンは上流階級の人たちを利用してのし上がってきた過去はあるけど、本当の上流階級になることはなかったし、個性の強すぎる彼らの相手をするうちに、心を壊していく様子は見てて辛かったもの。
そんな彼女が初めて自分を愛してくれる存在と出会って、彼を愛したっていうだけなのに、それがそんなにいけないことだったのかな?
ハッピーエンドのような、サッドエンドのような、私にはとにかく悲しいエンディングでした。
お気に入りの曲を紹介!
(クラシック音楽はあんまり詳しくないのでアレですが…)このドラマで流れたたくさんの曲の中から、私が好きだった曲をいくつかご紹介。
まずはやっぱりこの曲「Beethoven : Piano Sonata No.23 in F minor Op.57 ‘Appassionata’」
(ドラマの動画は見つからなかったのでラン・ランさんの演奏です~)
続いてこの曲「Rachmaninov : Rhapsody on a Theme of Paganini,Op.43」
ソンジュがオーケストラと演奏したこの曲はやっぱり印象的だった。演奏シーンは1:30あたりから。ユ・アインの弾いてる姿もカッコイイ!
関係ないけど、韓ドラってYAMAHAのピアノ使ってること多い気がする。スタインウェイとかじゃないんだね~。
それから、ショパンかリストかっていうと圧倒的リスト派の私は、ソンジュが入学オーディションで弾いてたこの曲も好きだった。「Liszt: Rhapsodie espagnole, S. 254」短いけど。
なんだか見ているうちに、クラシック音楽ってメロドラマにめっちゃ合うんだなーとか思ったり。
途中でBilly Joelの「Piano Man」が効果的に使われてたりして(字幕は出なかったけど歌詞が良かった!)、間違いなくこれは音楽に重きを置いたドラマだったよね。
最後に、このドラマの雰囲気を象徴的に表していた気がするメロドラマチックなこちらのエンディングテーマも置いておきまーす。
ユ・アインが演じてたソンジュは純粋な男の子だったけど、私の中で「シカゴ・タイプライター」の長髪ユ・アインの魅力は超えず。アレほんっとカッコ良かったもんなあ~!やっぱりユ・アインは長髪が好きw