韓国映画「ソウルメイト」の作品情報・あらすじ・感想

チェ・ジョンヒョプ&キム・ソヒョンの新ドラマ「偶然かな」は7月22日から放送決定だそう~。ユン・ジオンも出るみたい。楽しみだね!日本での配信はあるのかどうかまだよく分かってないんだけど…どこか配信して~。

さて今日はずっと気になってたキム・ダミ主演映画の感想を書いていくよー。

目次

作品情報

  • 邦題:ソウルメイト
  • 原題:소울메이트
  • 英題:Soulmate
  • 公開:2023年
  • 上映時間:124分
  • 日本国内配信:有料配信800円~(Amazon prime video、U-NEXT、Huluほか)(2024.6現在)

予告編

あらすじ

ある日、ギャラリーに呼び出されたミソ(キム・ダミ)。
ハウン(チョン・ソニ)が高校時代のミソを描いた作品が公募展で大賞に選ばれたが、ハウンの連絡先が分からないのだという。
「ハウンとは幼い頃に遊んだだけ」と答えたミソは、帰り際にジヌと顔を合わせる。

ミソとハウンの出会いは小学生の時。性格は正反対の2人だが、姉妹のように仲良く育った。
ずっと一緒に生きていこうと約束する2人だったが、17歳のある日、ハウンに恋人ジヌ(ピョン・ウソク)ができたことで、2人の関係は少しずつ変わり始める…

ノスタルジックな風景の中で、大切な友達との絆やすれ違いを描いた友情物語です。

評価(momoruruが勝手に採点♪)

momoruru

総合評価 90点

お互いを想い合う大切な友達との出会いと別れを描いたエモーショナルな友情物語。
終盤は涙なしには観られないくらい、温かくて切ない映画だった。
主人公の感情が掴み切れなくて、物凄く混乱しながら見ていた映画だったけど、この感情に名前付けようとすることに意味なんてないんだ…って見終わってようやく気が付いた。

感想

懐かしい友人を思い出す映画

香港のデレク・ツァン監督の映画「ソウルメイト 七月と安生」の韓国版リメイク作品。

オリジナル版を見たことはないんだけど、キム・ダミ主演のエモーショナルな友情物語と聞いて見放題配信まで待ちきれず、課金しての視聴~。後半は涙が止まらないくらい切ない物語だった。(ちなみに今話題の俳優ピョン・ウソクの映画初出演作品でもあって、ウソク出演シーンかなり多めw)

主演はキム・ダミとチョン・ソニ。
2人が演じるミソとハウンは小学生の頃に出会い、姉妹のように育っていく。奔放なミソと堅実なハウン、太陽と影のように何もかも対照的な2人は、お互いを心から理解しあえる唯一の存在になる。

前半では主に2人の高校時代が描かれていくんだけど、レトロな時代背景と済州島の豊かな自然の中で描かれる青春の眩しさの描写がとってもエモーショナル。ハウンにジヌという彼氏ができてから、2人の関係が次第に変化していく様子が切なくて痛くて、そして瑞々しかった!

続く後半では、成人した2人がそれぞれの人生と対峙する様子が描かれていって、過酷な現実に打ちひしがれても、いつも心のどこかでお互いの存在を追い求め、自分の生きる意味をお互いの存在に投影し合っている2人の姿が印象的。そして、終盤に訪れるセンセーショナルな真実には誰もが涙するはず…。

心の中に居る大切な友人を思い出させてくれるような、そんな素敵な映画だった。

ミソの感情

視聴中の私の頭の中はすごく混乱。ミソのハウンに対する感情がどうしても整理しきれなくて~。

まず引っかかったのが、廃墟になったホテルの中で、ハウンが彼氏が出来たことをミソに報告するシーン。
ミソがハウンに向ける視線が友情なのか、それとも恋愛感情を含めた愛情なのか、いまひとつ分からないような気がして。

momoruru

この続きはネタバレありますのでご注意を~

その後もミソの感情を確信をもって捉えることができなくて苦戦…

例えば、ミソとジヌの洞窟でのキス(?)の後で、ミソが高校を中退してソウルに行ってしまう場面。映画的には、ミソがジヌのネックレスを付けていることを印象的に描くことで「ミソもまたジヌに惹かれ始めているからハウンと距離をとったのだ」と映るように敢えて撮られていると思うんだけど。

でも廃墟のホテルのシーンでのミソの表情を考えたら、ミソはジヌに惹かれたのではなく、自分に近付こうとしたジヌを恐れて、ジヌから距離を取るためにソウルに逃げたのだと思う方がずっと自然。(後日、ミソはジヌのネックレスについて、あれは自分が生きるためにジヌから奪ったのだと告白しているので、ミソはジヌに惹かれていたからソウルに逃げたわけではなさそう?)

それなのに、彼氏に自殺されたミソがジヌの部屋に転がりこんで、そこにハウンが訪れたシーンでは、ミソが「あなたのせいでつらい」と、まるで後ろめたい想いがあるかのようにハウンに伝えたのがとても意外で。だってジヌに惹かれたのじゃなければ、あるいは、そもそもハウンを愛していれば、ハウンに黙ってジヌと同居するなんて考えられないから。

その後も、ジヌとの間に執拗に距離を置こうとするミソ。

今もどこかでハウンが生きているというミソの夢物語を、ジヌにだけ信じさせようとした理由は何なのか?

それでいて、育ている子供がジヌの娘であると、早々にジヌに告白してしまう理由はなんなのか?

母親と同じ名前なんて…ハウンの忘れ形見だと気付かれるのは時間の問題なのにね。

ハウンの感情

一方、ハウンのミソに対する感情には迷いがなく、驚くほどストレート。

遠く離れて暮らす彼氏の部屋に来てみたら、そこには酔いつぶれたミソがいて、部屋に散乱したミソの下着を見て「ジヌと寝たの?」とハウンが訪ねるシーン。私にはハウンの次のセリフが衝撃的だった。

「あなたの知ってる人が、みんなあなたを愛してると思う?あなたの恋人、あなたの母親、ジヌ、その中の誰か一人でも心の底から愛してくれる人がいると思うの?私以外にいない。私以外に、この世界であなたを愛してる人は他にいないの」と言って泣き崩れるハウン。

自分を裏切ったミソを責めているようでいて、本当はミソに対する愛の言葉のようにも聞こえるようで。

廊下に立たされたままで部屋にすら入れてもらえないジヌの存在よりも、ハウンにとってミソは遥かに大切で愛おしかったんじゃないかって。

なにより、妊娠したヘウンが再びミソの前に現れたとき「あなたが私から遠くへ行こうとしたからそれが嫌で怖くて憎かった」って告白するんだけど、ミソがジヌのキスを拒んだことを既に知っていたハウンが、オートバイあるいは船に乗って、遠ざかるミソの後ろ姿に対して抱いた怖さや憎しみは何だったのか?

それは、愛する人が遠ざかる恐ろしさに少し似ているようにも思えたから。愛しているからこそ、遠ざかる後ろ姿が憎らしくて、面影に憧れ続けたんじゃないかなって感じたシーンだった。

「ソウルメイト」

映画を見終わってから思い返してみると、友情というありきたりな言葉では表現できなくて、恋愛よりも尊くて崇高な2人の関係こそが、この映画が描きたかったものだったんじゃないかと改めて思う。

お互いがお互いの光であり影であるから、想い合えばこそ一緒にはいられない時もあるけれど、遠く離れていても私の本当の姿を知っているのはあなただけ…。

この関係を表すのに「ソウルメイト」という言葉が適切かどうかは正直よく分からないけど、劇中のミソのセリフにもあった「あなたがいなかったら私は何の意味もない」という関係が持つ、力強さや美しさに胸を打たれた映画だった。

ウソクの演じたジヌがペラ男だった件…

さてさてw 「ソンジェを背負って走れ」を観た後だけにピョン・ウソクがすっごく気になっちゃって、ウソクの出演シーンは基本凝視してたんだけど(w)、彼の演じてたジヌがうんざりするほど薄っぺらな奴で「ああー、ウソクは今後はもうこういうペラペラな役では出演しないんだろうなあ。ソンジェで一躍スターになったもんなあ」なんてちょっと感傷的な気分で眺めてたよ~w

奔放な高校時代から影のある成人役まで驚きの表現力で演じ切った天才キム・ダミと並んじゃうと、ウソクのセリフ回しは正直見劣りするものではあったけど(すみません!)、イケメンで優しいんだけど表面的な男を好演してたし、こういう役は多分似合ってしまうのかも…。

劇中ではあまりジヌの感情にフォーカスされることはなかったけど、結局ジヌってミソのこと「本命は別にいるから付き合いたいってわけじゃないけど、ちょっかい出したくなる子」みたいな感じで想ってたのかね。ハウンには「誤解させてしまったこと、一生をかけて償うよ」と言ってプロポーズするんだけど、厳密に言えば全てが誤解というわけではないぞ、っていう。まさに「こうして浮気は始まるのだ」っていう典型例を見せつけられているようで、ちょっとゾッとしちゃった~。

「子供が出来たらソウルに引っ越したい、僕にとっては夢だったんだ」と目を輝かせて語りながら、「絵は趣味にしたら?君の持ってるのは技術であって才能じゃない」と妻の意見をぶった切るジスの姿には、なんか現実感が強すぎて頭痛がしたし…。

み、みんな、収入やイケメンに騙されちゃだめ、結婚しても夢を諦めないで!w

27クラブ

この映画で久しぶりにジャニス・ジョプリンを聞いて(ぶっちゃけ20年ぶりとかです…)懐かしかったなあ!

ジャニスが27歳で亡くなったのは有名な話で、そんなジャニスに憧れて、ジャニスのように生きることを夢に見て、同じく27歳で死ぬと言っていたミソ。

そんなミソに憧れて、ミソのように生きることを夢見て、同じく27歳で命を落としてしまったハウン。

ミソがハウンの死亡診断書の年齢に「27」と書き込むシーンでは涙が止まらなかったんだよね。

凄い脚本だったなあ。いつかぜひオリジナル版も見てみたい。

momoruru

チョン・ソニの目ってチャ・ウヌの目と似てる~!

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