韓国ドラマ「九尾狐伝~不滅の愛~」の作品情報・あらすじ・感想

いつだったかなあ…フィリピン在住の初対面の人と韓ドラの話してて(w)、私が「Tale of Nokdu(ノクドゥ伝)」が好きなんですよーって言ったら、ああ~、それ英語だと「Tale of the Nine-Tailed(九尾狐伝)」って言うんだよって優しく訂正されて、「いや、それ違うドラマなんですけどぉ~」って思ったけど、あんまり優しく訂正されたから言い出せなかった(弱)って、どうでもいい話でスミマセン…。

とはいえ(?)私の知る限り、東南アジア在住の韓ドラファンの中での「九尾狐伝」は知名度の高いドラマでよく話題にあがってくるんだよね。実際に見てみたらユニークな世界観のある面白いドラマだった~w

目次

作品情報

  • 邦題:九尾狐伝~不滅の愛~
  • 原題:구미호뎐
  • 英題:Tale of the Nine-Tailed(Tale of the Gumiho)
  • 放送:2020年
  • 話数:16話(1話約70分)
  • 日本国内配信:Amazon Prime Video・U-NEXT・Leminoプレミアム・Netflix(2023.11現在)

本作品の配信情報は2023年10月11日時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況についてはLeminoのホームページもしくはアプリをご確認ください。

予告編

あらすじ

1999年に狐峠で起きた奇妙な自動車事故から行方不明になったままの両親を探し続ける、テレビ番組プロデューサーのジア(チョ・ボア)。

ある日、ジアが訪れた結婚式場から花嫁が会場から忽然と消えてしまう。事件の取材を進めるうちに、ジアは見覚えのある男ヨン(イ・ドンウク)に行き当たる。

ヨンは、両親がいなくなった事故の夜、ジアを助けてくれた男だった。
ジアは両親を見つける手がかりを得ようと、ヨンに近付こうとするが…

現代社会に生きる伝説の霊獣・九尾狐(クミホ)と、運命の出会いを果たした人間の女性との愛を描いたファンタジーロマンスです。

評価(momoruruが勝手に採点♪)

momoruru

総合評価 87点

序盤のホラー描写は結構怖かったけど、九尾狐ヨンのおしゃれトーク&一途な愛にすっかり夢中にw
ブラコンのラン君も可愛いし、お世話係のシンジュのキャラもGood!w

中盤以降はテンポが落ちていって話が分かりづらくなっていくのがちょっと残念だったなあ。今年公開の続編もぜひ見てみたい~。

感想

想像以上にホラーだった!

あ、あのう…ファンタジーロマンスと聞いて来たんですけど…このドラマ、かなりオカルトめいてるというか、若干ホラー寄りでは…???

たまたまだけど私、このドラマを真夜中に見始めたのよ。リビングで1人で。
いやーちょっとピリついたわ~w

ゾンビ系ホラーが苦手な人はちょっとだけ心の準備が必要かも。刀山地獄の描写とか刀がひゅんひゅん飛んできて「こわ~っ!」ってなるから~。

でもそこまでビックリさせられる系ではないし、基本の流れはロマンスなのでご安心を。美男美女の一途な愛情は美しいし、アクションもカッコイイし、ミステリーも奥深くて、最後にはきっと涙してしまう素敵なお話なので、序盤の怖いシーンを乗り切ってぜひ完走して欲しいドラマだよ~w(中盤以降はそんなにホラーじゃない…かな?)

このドラマで私が一番面白かったのは、イ・ドンウクが演じる九尾狐ヨンのセリフ回し!言葉のチョイスが面白いし、超スマートでテンポが良いの~。

「僕は権力を乱用することにした」って言って、神の掟を破って三途の川を凍らせてみたり、序盤からとにかくドンウク兄さんのおしゃれトークが炸裂中~。(このおしゃれトークはまるで「太陽の末裔」のシジンのよう。こういうキャラ好き~w)

このヨンがとにかくカッコ良いんだよね~!軽快で洗練されたトークをかましてくれるドSキャラなんだけど、たまにオマヌケでちょっと可愛い上に、実はめちゃくちゃ一途なところがまたイイ。しかも九尾狐はとにかく戦闘力が高いので、突然敵に襲撃されたって余裕の表情で軽々と処理してくれちゃうし。

さらにはドンウク兄さんはセリフだけじゃなく表情演技も上手いので、敵から襲われてる瞬間にもチラっとジア見て笑ったりとかさー、ドキッとさせるポイントを良く分かっとるわww

こんなことされて恋に落ちない女性います~?ってくらい完璧なキャラなのよ。これが人間だったら「ウソつけ~こんな人いないよ~」ってなるところなんだけど、なにしろヨンは九尾狐なのでw ぶっ飛んでいても存在に謎に説得力があって、ついついストーリーにのめり込んじゃう。ファンタジー系の異世界ロマンスがお好きな方にはかなりオススメかもw

あ。そうそう。ストーリーと全然関係ないんだけどね、もし「冷麺がものすごく好きよ」って方がいたらぜひね、ドラマ視聴前に冷麺の用意をしてからご覧になることを一応オススメしておきます(後ほど説明しますが、私は夜中に冷麺が食べたくなって辛かった…w)。

「九尾狐伝」のプチ用語集

ところで、みなさんは九尾狐をご存知でしょうか?
私は初めて「九尾の狐とキケンな同居」を見たときに「一体なんなんだ、九尾狐って…??」という壮大な疑問にぶち当たって苦戦したので(w)一応説明しますと…、九尾狐とは韓ドラに結構よく出てくる伝説上のキツネです。口からちっさい玉を出しがちで、その玉に人間の気を集めがちで、人間になりたがりがちで、人間の肝を喰うと言われてる割には全然食べないなって感じの、霊獣のような妖怪のような存在です。

今回の九尾狐は玉(狐玉)の話はあんまり関係ないタイプのようなのでその点では分かりやすいんだけど(正直、玉の出し入れ云々の話は私には難しいのw)、一方でこのドラマはオカルト要素が強めなこともあって色んな妖怪やら神様たちが登場してくるので、単語がちょっと分かりづらいかも。念のため自作の簡単なメモを置いておくので、よかったら視聴中にご参照ください~。

  • 九尾狐(クミホ)
    名前はイ・ヨン。九つの尻尾を持つ伝説のキツネ。かつての山の神※元白頭大幹(ペクトゥテガン)の神。月見草に弱い。
  • イ・ラン
    イ・ヨンの異母兄弟。母は人間。
  • 奪衣婆(タルウィパ、だつえば)
    おばさん。来世出入国管理所の管理者。三途の川を治める神。閻魔大王の妹。
  • 懸衣翁(けんえおう)
    おじさん。奪衣婆の夫。来世出入国管理所で働く。亡者の罪の重さを量る。
  • 不可殺伊(プルガサリ)
    乱世に現れる伝説の生き物。悪夢を食べる。金属を食べると本性を現す。
  • 蛟竜(イムギ)
    イ・ヨンの宿敵。竜になれなかった大蛇。
  • 使道(サト)
    かつての山の神。イ・ヨンの長年の親友。元はツキノワグマ。月の鏡という神器を持つ。
  • ウロンガクシ
    タニシが化身した女性。食堂を営む寡婦。オドゥクシニに消された夫を探している。
  • オドゥクシニ
    怖いものを聞き出し、トラウマを利用して悪夢の中に閉じ込める妖怪。
  • 虎の眉
    前世が見える眼鏡。
  • 十王
    地獄において亡者の審判を行う10人の審判官。
  • 五動転輪王
    十王の1人。黒闇を治める王。最後の審判官。
momoruru

この続きはネタバレありますのでご注意を~

ハードボイルドなヒロイン

ファンタジーの種類的には「トッケビ」の雰囲気に近い気がするんだけど(ドンウクが死神の話してるシーンあったねw)、「トッケビ」と対照的だったのはヒロインのキャラクター。

トッケビ」のヒロインは純粋無垢な守られキャラだったのに対して、このドラマのヒロインのジアは自分の手を汚して戦っていく女っていうのかな~?

特に前半のジアはストイック過ぎて、家の壁に事件の切り抜きを貼り過ぎてて「この人メンタル大丈夫なの~?」って思ったし、ベランダから飛び降りるとか結構な賭けに出がちな性格なので(ヨンが飛べないタイプの妖怪だったらどうするつもりだったのよw)、「し、死ぬど…」って心配になりまくり。

ヨンと一緒に行動するようになるまではずっと一匹狼だったし、かつてないハードボイルドなヒロインだったな~。(ピアスの位置も独特だったw)

ただ、どうしてそこまでして両親の生死にこだわるのか、序盤ではいまいちわからなかったんだよねー。やり方も普通じゃないし。だってもし自分がジアと同じ目に遭ったとしても、あんな風に人生を捧げてまで両親を探さない気がする。もちろん探すは探すだろうけど、事故当時まだ幼かったし「あの日見たことは夢だったのかも…」って思っちゃうのが普通だと思うのよ。

後にジアはアウムの生まれ変わりだと分かるので…アウムは王女だったし、父の体に宿った蛟竜(イムギ)から父を救おうとしたほど強い子だったので、ジアも同じように強い女だったのかなと想像はできなくもないんだけどね。

そんなわけで前半あんまり共感できなかったせいで、個人的にジアはいまひとつハマりきれないキャラだったかな~。戦う女性像は大好きなんだけど。

演じてたチョ・ボアはね、とにかく顔が小さいの。なのにパーツがすごくデカイ。もう顔の幅から瞳がはみ出しちゃうんじゃないかと思うくらい目がデカイ!

顔が特徴的で悪女役もハマるので、好き嫌いが別れそうな女優さんかなとも思うんだけど、私は「ボクスが帰ってきた」の良い役で初めて見たせいもあってか結構好き。撮影に臨む一生懸命な姿勢も好印象な女優さんw

現在配信中の「この恋は不可抗力」ではロウン君と共演してて(明日配信完了かな?)見るのが楽しみなんだー。チョ・ボアとロウン君って性格のタイプが似てそうだし、顔の系統も似ている気がするんだよなあ…w

ジアよりランの方が好きだったりして

ヒロインにハマりきれなかったもう一つの理由は、キム・ボム演じるランくんの方にむしろハマっちゃったからっていうのも正直あるw

登場したときは「ワガママそうで厄介な弟だなー!」とか思ってたのに、実はランくんはお兄ちゃんが大好きじゃん。何をやっても好きな気持ちがダダ漏れしてるし、甘えて泣いて喧嘩売ってきて…もう「子犬かよ!」ってくらい可愛いかった。悪い事ばっかするけど、笑顔が無邪気でつい構いたくなっちゃうタイプ。こんなキャラ見たことないし、このギャップはヤバイ~!w

キム・ボムをちゃんと見たの初めてで(関ジャニの横山くんに似てませんか?)、なんとなく「花より男子」のイメージしかなかったのに、こんなにカッコ良かったっけ~?ってびっくりだよ。ドンウク兄さんデカすぎてボムが小さめに映ったけど実は181cmもあるのね。顔と役がぴったりフィットしてて、この役は熱かったー!

それなのに…
ランはあんなにお兄ちゃんが大好きだったのに、ランの手でヨンを殺させるなんて…なんて残酷なストーリーなの~!
ヨンが三途の川に落ちてからは、ジアより圧倒的にランの方が可哀想で見ていられなかったよ。

しかもお兄ちゃんの転生のために五動転輪王と取引して最後は死んじゃうのよ。ヨンはそれを望んでなかったはずなのに…。しかもボタンエビに生まれ変わるんだとか言ってて~!ボ…ボタンエビ~!ちょ、号泣したじゃんか。なんて健気な子なの~。

ところで最後にランと取引した五動転輪王役は、私の中での韓国の三上博史ことイム・ギホン。「ザ・ファビュラス」といい「人間レッスン」といい、もうここんとこずっとドラマで見続けてるせいか遂に声だけでイム・ギホンを言い当てられるようになってる自分がいてビックリ(サングラスの時点で分かっちゃったよw)。ドンウクとイム・ギボンは、ウィ・ハジュンが大暴れするドラマ「バッド・アンド・クレイジー」でも共演してたね~。

て、転生とは…?

で、ランはヨンの転生のために犠牲になったわけだけどさ…

この「転生」っていう概念がイマイチわからなかったのよねー。
奪衣婆の息子は自殺してしまったので転生できないっていう話が何度も出てきてたし、神や狐のみなさんは転生にすごくこだわってたじゃん。彼らは超寿命長い(あるいは死なない)から転生の概念が実感としてあるのかもしれないけど、ぶっちゃけ人間界においては転生ってそんな意味を持たないというか、「あー!転生したいなー!」とかって普通は考えないと思うのよ。

しかも転生はランダム。いつ生まれるか、どんな姿で生まれるかは分からないわけでしょ。アウムの転生だって600年もかかったし、転生したら男か女かも分からないって話だったじゃん。

だからランの命と引き換えにヨンを転生させる取引をした時、なんでそんなことするんだろうってちょっと不思議だったのよ。生きる残るのがランならまだしも、ジアは完全に人間だから寿命80年くらいしかなくて、その間に転生する確率なんて低いだろうに。

ヨンが仮にジアと同じ時代に転生できたところで、今から赤ちゃんとして生まれてきても恋愛できるわけでもないし、どういう関係になるわけー?とか思ってたら……なんと、転生してきたヨンはフツーに大人だったわー!(衝撃~!)。あ…ああ、そっか…、九尾狐ってもしかして赤ちゃん時代とかなくて生まれつき大人の姿なのかな~とか思って納得しようとしてたのに、なんと転生したヨンは人間だったー!(衝撃~!×2)。

それ…転生じゃなくて…生き返ったって言うべきなんじゃ…?

という高難度の疑問を残して終わったのでありました。転生とは…?

イ・テリがテリーなのはさすがにw

どうして蛟竜(イムギ)が復活した時に2つに分離したのかとか、なぜ蛟竜(イムギ)は九尾狐の体にこだわるのかとか(老化が速いんだそうですけども)、どうしてジアとヨンには蛟竜(イムギ)の暗示が効かないのとか、ついでに言うと、蛟竜(イムギ)のインターンとしての名前がテリーで「イ・テリがテリー役て!」ってびっくりしたりとか、未知の感染症なのにマスクはしないわ触っちゃうわでコロナを経験してない時代は違うわねって思ったりとか…

とにかく中盤は良く分からないことが多くなってくるし堂々巡りもあったりして、前半のテンポの良さが消えてしまったのがちょっと残念だったな…。

そして私の中で一番の疑問だったのは、奪衣婆(おばさん)がずっと黙っていたことかも。

だって、こうなることは、奪衣婆は最初から全部分かってたんだよね。
ジアの中に蛟竜(イムギ)がいるってことも分かってたはずで、だからヨンにアウムを探すなって言ってたのよね。

最終的には、奪衣婆も禁忌を破ってジアを生き返らせる約束をしてくれたりして、まあ良い人なんでしょうけど、…最初っからある程度ヨンに情報を教えててくれればこんなヤヤコシイことにはならなかったし、作戦もたてられたし、ランが死ななくても済んだんじゃ……って正直ちょっと思ったよね。

蛟竜(イムギ)のために何の関係もない一般市民が1日に903人も死んでたし、神としてもここまで大きな犠牲を受け入れてしまって良かったのでしょうかね?

やっぱり純愛は正義!

とまあ、私には理解しきれないところもあったけど、でも、いつでもどんな時でも、ヨンは愛する女性の幸せしか考えてないところが凄く良かったw 彼のキャラは終始一貫して全くブレなかったw 「どっちみち俺の命はお前のものだから」って何のためらいもなく言うヨンが素敵だったな~。

振り返ってみたらこのドラマって、登場人物みんなが自分を犠牲にして愛する人たちを守ろうとする純愛の物語だったんだよね。

あ、書き忘れたけど、シンジュ役のファンヒもめちゃくちゃ良い仕事してて、物腰柔らかなファンヒを見るのは初めてだったけど正直ちょっと惚れましたw(「ダリとカムジャタン」でのファンヒもなかなかカッコイイ役なのでもし見てなかったらぜひw)

そしてエンディングでは、再び九尾狐の能力を取り戻したように見えたヨン…これは一体どういうことなの~?!

その辺りも含めて、続編「九尾狐伝1938」の内容が気になるところ。続編も後ほどぜひ見る予定だよ。ヨンのおしゃれトークがまた聞きたいw

おまけ:冷麺の飯テロ

COFEEBAYのPPL(間接広告)がかなり強くてね、どんだけロゴを映すんだよってくらい主張してきて、見てるだけでアメリカーノ5杯くらい飲んだ気分になったんだけど…それよりなにより、めちゃくちゃ冷麺が出てくるのよ~。平壌冷麺…ビビン冷麺…冷麺冷麺冷麺冷麺…ちょっと待って、私が一番好きな食べ物なにか知ってるの?そうだよ冷麺だよ!(ホントです)まさに飯テロなドラマで、見ると食べたくなるのに、家に冷麺の買い置きがなくて…実は本気で辛かったw

OST

時代劇シーン有りで妖怪描写ありのオリエンタル風味なドラマなんだけど、意外にもロックな曲が多くって、これが絶妙に合ってた!

だってOSTの1曲目からしてこのテイストよ。
ロックバンドNELLの김종완(キム・ジョンワン)が歌う「Blue Moon」。なんてハードロックなの!!

MONSTA XのSHOWNU(ショヌ)が歌う「ネ モスビポヨ~!」の曲。いや曲名は「I′ll Be There」ね。この人ダンサーらしいんだけど、歌い方がめちゃくちゃ清々しいわー。ロックテイストなギターとマッチしてカッコイイ!

大好きな린(LYn)さんが歌う「월아연가 (月兒戀歌・Moonchild Ballad)」。
もはやディズニー映画の主題歌にしか聞こえないくらいの壮大な世界観でございます。

momoruru

蛟竜(イムギ)が住んでいたギリシャ神殿風のお屋敷は「カーテン・コール」や「シカゴ・タイプライター」の家と同じ。あの家って韓ドラにめっちゃ出てくるね~。

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