このドラマの感想はなんだか長くなりそうだな~、こわいなこわいな~、気を付けなきゃな~って思ってたんだけど、長くなっちゃった…(ホントすみません)
作品情報
- 邦題:青春ウォルダム(運命を乗り越えて・呪われた王宮)
- 原題:청춘월담
- 英題:Our Blooming Youth
- 放送:2023年
- 話数:20話(1話約60分)
- 日本国内配信:Amazon Prime Video・Leminoプレミアム・U-Next・Hulu・ABEMA(2024.9現在)
本作品の配信情報は2024年9月12日時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況についてはLeminoのホームページもしくはアプリをご確認ください。
予告編・ハイライト
<予告編>
<ハイライト>
あらすじ
評価(momoruruが勝手に採点♪)
総合評価 89点
呪われた世子と、世子に仕える男装ヒロインが織り成す王宮ミステリー&ロマンス。
複雑怪奇な事件を追うミステリーではあるものの、分かりやすい設定なのですんなり見れちゃう。
自分の人生を生きるために、立ちふさがる壁を乗り越えていく、若者たちの成長物語としても見ごたえあり。
でもロマンスはちょっと辛いので…ロマンスへの期待は控えめでお願いしますw
感想
女性の活躍を描く時代劇ミステリー
実は1回目で脱落してたドラマなんだけど、大好きなヒョンシク出てるので、勇気を出して再挑戦だ!
再挑戦してみて分かったけど、私が脱落した原因は序盤のストーリーとヒロインの暗さだと思う。というのも、タイトルとポスターの雰囲気からして、完全に時代劇ロマンスを期待して見始めちゃったんだよね。(相変わらず事前に調べない私です)
そしたらロマンスらしからぬ暗さと雲行きの怪しさに、ビビって脱落…。
でも、このドラマって時代劇ロマンスではなく、思いっきり時代劇ミステリーなの。
それを分かった上で改めて最初から見直してみると、意外にも良質なストーリーだったことに気が付いて、そこからはほぼ一気見だった~。
というわけで、どうかロマンスにはあまり期待せずに(あるにはあるんだけどねw)、純粋に謎解きミステリーを楽しんで欲しいドラマだと思ったよ。
ちなみに私の大好きなドラマ「100日の郎君様」と同じイ・ジョンジェ監督の作品ということもあって、あの友人夫婦も主要キャストとして出演してるし、それから彩度が高くて繊細な衣装や小物、大自然の美しさを活かしたロケ、勢いのあるアクションシーンなどなど、映像としての見ごたえも十分。
ストーリーをざっくり説明すると、主人公である世子(王位継承者)は、自らを陥れようとする呪いの謎を解くために、そして家族殺害犯に仕立てられた娘ジェイは、真犯人を見つけ出すために、2人がお互いの力を利用することで真犯人を探していくミステリー作品。
そしてこのドラマ最大の特徴は、事件捜査に長けた有能なヒロインが自らの手で事件を解決していくという設定だと思う。
ドラマ内のジェイのセリフでもあったけど、「男でなければ大志を果たせない」ことが当然であったこの時代。優秀な頭脳と捜査の才能を持ちながらも、女性という理由で自由には生きられなかったジェイが、世子という後ろ盾を得て、生き生きと自分の能力を発揮していく姿が新鮮に映った。
ジェイが世子に仕えるために内官(王族に仕える去勢された官吏)になりすますのは、どうしたって既視感強めではあったものの(そうです「雲が描いた月明かり」です)、ジェイのキャラクターを個性的に描くことによって、全く違うヒロイン像に仕上がってたんじゃないかな。
そしてもう1つ、ドラマの中で世子が人間としての成長していく姿が描かれていくのも見逃せないポイント。
呪いの書や心無い噂に悩まされ、人を寄せ付けずにいた世子が、ジェイの真っすぐな視線を通して、呪縛を乗り越えていく様子も見どころのひとつで、友情を育んで人間らしい表情を見せるようになっていく変化の過程もなかなか胸アツです。
ミステリー初心者にも安心の親切設計w
このミステリー、想像以上に奥が深くてなかなか真実に辿り着けないんだけど、
- 世子に届いた呪いの書
- ジェイの家族殺害
- 高官同士の権力争い
- 「萬研堂」での検死
- 謎の黒装束集団
などなど、複数のラインで平行してストーリーが展開していくという、やや複雑な展開になってるにも関わらず、ストーリー自体はなかなか親切設計。
というのも、それぞれのラインに印象的なキャラクターが立てられてるので、今どこの話をしてるのかが迷子にならなりにくいんだよね。それぞれタイプの違うキャスティングがされてるのも良かったし。
ついでに、心の声や考えていることは、大抵は視聴者にも聞こえるように話してくれるので助かっちゃうw
時代劇にしては珍しく法医学も取り入れた捜査で事件解決をサポートしてくれる「萬研堂」も、ストーリーの分かりやすさに一役買っていて、事件を整理してくれる重要な存在だった。
世子が信頼すべき相手は一体誰なのか?
臣下の忠誠は本心なのか?
世子やジェイたちと同じ視点で、彼らの混乱に共感しながら、じっくりとミステリーの謎解きを楽しめる構成になってるのが面白かった。
ところで高官役のキャスティングがちょっと変わってる気がして。チョ・ソンハ、ソン・ビョンホ、チョン・ウンインっていう、ラスボス役が演じられるベテラン俳優が3人も起用されてるの。これが1人だったら「絶対あの人が犯人でしょ」って分かっちゃうんだけど、3人もいると誰がラスボスなんだかサッパリ分からなくて、私はかなり翻弄されました~。
兵曹正郎が辛すぎるのよ…
一方のロマンスには、もうどうしても入り込めなくて…
やっぱり、兵曹正郎ソンオン(以下、ソンオン)の存在が大きすぎるんだと思うのよ。
この続きはネタバレありますのでご注意を~
だってソンオンは何も悪いことしてないのに、大好きな許嫁ジェイを世子に取られちゃうんだよー??
許嫁といっても、ただ親が勝手に決めただけです~、みたいなのだったらまだ分かるんだけど、結婚前にソンオンから愛のお手紙もらったジェイもキャイキャイしてたし、言って見れば完全に相思相愛だったわけよね。先祖の許可ももらった後なので、式を挙げていないだけで形式的には夫婦って感じだったんだもの。
どう考えたってソンオンよりも立場も上(で、しかもイケメンw)の世子様が、ジェイの正体をソンオンに明かさないまま、こっそり仲を深めていくのって…やっぱちょっとズルいような気がしちゃう~。
いやー、私の頭が固いのかなー?
考えが古いのかもしれないけどもw
このままジェイが世子のことを好きにならないで欲しいな~とか思って見てたんたけど、8話くらいで遂にジェイが「私、世子のことを好きかも!?」って気が付いちゃって。そして一番悲しかったのは10話w
ジェイが突然、ソンオンのことは別に好きじゃないとか言い出すんだよ~。一目惚れって言ってたの取り消しちゃうの。「いい人だと知る前から好きでした。私に選択権はありません。どうせなら嫌うより好きになったほうが幸せです。好きになろうと心に決めました」とか言ってて、まるで仕方なく好きになったみたいに言い出すわけですよ。
お、おいおい。ソンオンの似顔絵を見てイケメンだとか言ってあんなにはしゃいでたの、あれ仕方なくやってたの~?まじですか…。
そもそも一目惚れなんて、小さい頃一回見ただけなのにそんなのできっこないじゃん、とかまで言うてましたけど…。それ言っちゃうとね、小さい頃に一度会っただけで好きになっちゃってるソンオンくんの立場とはw 結婚前に愛の告白とかしてて、ちょっと、ソンオンが恥ずかしい人になってない??ww
ソンオンは最後まで嫁を信じて探してくれてたのに、ジェイは結婚するよりも一生内官のままでいいとか、尚膳になる方がいいとか、無邪気な笑顔で言っちゃうの…可哀想だからやめたげて~。
いやー、心変わりって無情よね、ホント。
しかも主人公カップルがどっちも超鈍感なので。ソンオンには事件が片付いてから言うつもりなんだろうけど、あんなにも想ってくれるソンオンを放置してるのって実はそれ自体が残酷なことなのに、基本そういうことまでは考えが及ばない。仕事ならセーフとか、手を出してなければセーフ、ってわけじゃないと思うんだけどナー。
18話で遂にソンオンがジェイに気が付いちゃって、あれ?これって、世子さまは自分のためにジェイを匿って無実を証明してくれようとしたのかな?見つけたら返すって約束してたし、って思うものの、その後すぐ、世子のジェイのいちゃいちゃシーンを思い出して「ん?」って顔するのさすがに泣けたよw
最終的にはソンオンが、この三角関係を降りてくれるんだけど。てゆうかこれ、降りる以外の選択肢なんて彼にないからね。
とまあ、世子とジェイの仲が深まる度に、ソンオンの顔が浮かんできちゃって、私には最初から最後まで見ていて辛いロマンスでした…。みなさんは大丈夫だったでしょうか。
ちなみにエンディングでは、王になった世子が綺麗な輿を携えてジェイを迎えに来てくれるんだけど、これもまた結婚するのも難しそうなんだよなー。ドラマ内でも世子嬪になるには両親揃ってないと駄目とか言われてたし、そもそも後ろ盾のないジェイはどう頑張っても中殿(正妻)にはなれないわけで、これって側室コースまっしぐらでは?
で、その側室コースになりますとね、ジェイのように非常に活発なお方は、「赤い袖先」のドギムみたいになるんじゃないかっていう嫌な予感たっぷりなんだってばよー!だって入ったら最後、王宮からは二度と出られないんですぜ?
王はいずれ正妻を迎えて、側室もどんどん増えて、王もたまにしか来なくなって(なんか今日、悲観的でごめん)、それってジェイにとっての幸せなのかなー?とか思っちゃうのだった。
そういえば同じ監督のドラマ「100日の郎君様」のエンディングでも似たような疑問を持ったんだけど(ヒロインはやはり後ろ盾のない28歳…)、この監督そこには触れない主義なのかもしれんな。
色々考えちゃうと、ソンオンと結婚した方が幸せな気がすると私は思うけど(まだ言ってるw)、世子を選ぶにしても、ジェイの自由が守られるといいなあ~。ジェイは男装をしてまでも志を果たそうとしていた、有能な女性なので。
冬眠中の眠る熊
わーい、やっとヒョンシクのことが書ける~!(これを書くのが楽しみで感想書いてるw)
このドラマでは既に安定感たっぷりのヒョンシク。舞台も出てるけど元アイドルだし演技畑出身とかではないので、演技が特別上手いというわけじゃないんだろうけど、この頃には演技が安定の域に達した感があるね~。
安定感といえば、このドラマは「ハピネス」の直後に撮影していて(ちなみに撮影時期は2021年10月~2022年9月で、なんと1年も撮影してた)、あの頃と同じくらい体重があった時期なので華奢さがゼロよ。太ってたというより、筋肉増量でバルクアップしてたのかもしれないけど。恰幅の良い世子役にぴったりだった。
っていうか、このドラマのヒョンシクはいつもよりデカく感じたんだけど。
ヒョンシクは身長183cmなので、190cm台がごろごろいる韓国俳優の中では超デカイというわけじゃないけど、他のキャストが小柄だったり華奢だったりするせいか、画面上の存在感がかなり強め。
世子が矢でお腹を打たれて寝込んでしまう場面があるんだけど、納屋に寝かされてるヒョンシクが、看病してくれるジェイよりもだいぶ大きくて、まるで冬眠中の寝てる熊みたいで、「カワイイー!」って騒いでたの…って多分私だけよねw
ぜひうちの部屋にも1匹は寝かしておきたい、温かそうな熊だったー。
しかし、今回の世子役はちょっと気性が荒くってねー!
全編通して結構イライラしてる人で、序盤なんて特に一触即発のイライラ棒状態なので、声を荒げるシーンが多いんだわ。で、この凄味を効かせて低音で叱りつける声が、またカッコイイの~。怒鳴る男は大嫌いだけど、ヒョンシクになら怒鳴られたいまであるな~とか思ったのも…やっぱ私だけよねw(ハイハイ、知ってます)
私の中で、怒鳴り声が素敵といえば、やっぱキム・スヒョンなんだけど(声フェチなのでこんなことばっか書いててすみません)、彼もよく通る良い声で怒鳴るんだけど、ヒョンシクも同様で、低音を響かせるのが上手いよね。2人とも歌が上手いからなのかな~。
そして私「100日の郎君様」のアクロバティックなアクションが結構好きだったので、今回はヒョンシクのアクションに期待してたんだけど、ヒョンシクって手足が長いせいなのか?(はたまたアイドル出身だからなのか?)キメポーズ強めの殺陣になりがちだったかも…w やはりあのアクロバティックな殺陣は、小柄なD.O.様だからこそ実現したワザなのか?(知らんけど)
なんか想像してたのとちょっと違ったw
しかしさすがは我らの王子様、画面のどこにいても目立つ完璧なスタイルだし、暴れる馬をがんがん乗りこなす姿に惚れ惚れしちゃった~。
ちなみに、今回ヒョンシクが演じた世子は、一度見たことは決して忘れないという謎の特殊能力あり。実はヒョンシクにこの能力が備わるの2回目~!(こんな偶然ある!?w)1回目はドラマ「SUITS」のヨヌ役ね。
ついでに王様役も2回目といえば2回目。1回目は朝鮮王朝じゃないけど新羅の王を演じた「花郎」です。
青春ウォルダムの意味
ロマンスは辛かったけど、ミステリー時代劇としてはなかなかの出来なんじゃないかと思うけど…
ただどうしても納得いかないのは、やっぱりこの邦題よ~!
「青春ウォルダム」って何なんだかさっぱりわからなかったもん。
なんだか「青春ブロッサム」に似てるし。あちらもよく考えると若干意味わからんタイトルだけど、正真正銘の青春モノなのでまだ許されるとして、こちらはキャストの年齢的にも青春モノとは言えないような…?(撮影当時のヒョンシクが29~30歳、ジェイ役のチョン・ソニは30歳と主要キャストがみんな30前後です)
そして最も謎だった「ウォルダム」という言葉を調べてみたら「壁や塀を乗り越えること」という意味なんだそうで、漢字で表すと「越牆」なんだって。
そう言われてみれば、ガラムがミョンジンに「塀を乗り越えるのが得意なんです」って言ってたし、ドラマ内でもガラムやジェイや世子が塀を乗り越えていくシーンが印象的に描かれていたよね。
ストーリー的にも、ジェイは女性としての壁を乗り越え、世子は自らの境遇を乗り越え、ミョンジンは名家の生まれという壁を乗り越え、ガラムは奴婢という身分の壁を乗り越え…
そもそもこのドラマ自体が、登場人物たちが性別や身分などそれぞれの壁を乗り越えていくストーリーだったことをと考えると、なるほどなと思うタイトルではあるんだけど、「ウォルダム」という言葉が日本語に置き換えられなかったのは残念無念~。
それから、納得いかないついでに書いちゃうと、チョン・ソニのキャスティングにはちょっとだけ違和感あったかも。
女の子顔過ぎないし、ツンデレ上手いし、声も低めだし、キリっとした気迫を感じる演技力も評価されてのキャスティングにはすごく納得なんだけど、残念ながらフィジカルに疑問を感じる場面が多く…。
だって今回チョン・ソニが走るシーンがめっちゃ多かったのよ。ある時は山の中を逃げたり、ある時は敵を追いかけたりで、あっちこっち延々走り回ってるんだけど、走り方が “女の子走り” 過ぎて…これで刺客と戦えマスカ??
アクションシーンになると、明らかにガッチリしたスタントマンに入れ替わっちゃうのもちょっと寂しかったし、内官の中でもダントツに小柄なので(それでも163cmあるんだけど)ぞろぞろ並んで歩くシーンには拭えない違和感…。うーん。
あと、世子の護衛武士テガン役のホ・ウォンソくん、ネクストブレイク間違いナシな気がする高身長イケメンなんだけど、めっちゃ童顔なので、あんまり強そうに見えないかったかも。あれはやっぱりあのハチマキ(?)のせいもあるのかなー?ハチマキは童顔くんを子供に見せちゃう危険なアイテムなんだよね~(「太陽を抱く月」の中学生ぽいキムスヒョンのように…)
ジェイとテガンのキャスティングが若干弱い気がしたかもです…(小声)
さーて、そんなこんなで今回も長々と感想書いてしまいました。長かったよね…ごめんなさい。
そうそう、ヒョンシクの次回出演作はSBSの「宝島」と「デスペラード」(Netflixかな?)が予定されているはず。「宝島」はホジュノも出演する復讐劇みたいで、「デスペラード」はノワールなんだそう(ノ、ノワール…!!)。すごく楽しみだけど、見られるのはきっと来年だよね。待ちきれるかな!?w
OST
「100日の郎君様」の「꽃연가 (Cherry Blossom Love Song)」が大好きだったのでどんなOSTになるのか期待してたんだけど、予想に反して全く音楽に頼らないドラマだった気がする本作。
唯一、耳に残ったのはCHEEZE の歌う「이 내 맘」でした。
エンディングで王となったファンが、ジェイを迎えに行くシーンで流れたのは、主演パク・ヒョンシクが歌う「몽우리」。ここで流すんだねー!!
狩猟大会の後で字を書こうとした世子の手から血がぽたぽたするシーン。水で手を洗ってから手がびっちょびちょのまま筆を握ってたの!?ハンカチ忘れたみたいでなんかw 血がぽたぽたしなくても、水がぽたぽたして字がぐっちゃぐちゃになるぞw